特定技能1号の在留資格取得の条件と試験について教えてください

YUIME Japan編集部 / 2023.10.06

働き手

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技能実習制度を利用している農家です。

うちに来てくれた実習生の子たちがとてもよく働いてくれるので、長くいてもらいたいと思っており、特定技能へと移行してもらいたいと考えています。

また、将来的には規模拡大のために、特定技能の外国人たちも雇用したいと考えています。

特定技能1号の在留資格の取得には、試験の合格が条件になっていると聞きました。

技能実習制度からの切り替えも含めて、どのような仕組みになっているか、簡単に教えてください。

堀口健治

早稲田大学名誉教授

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特定技能1号の在留資格の取得には、試験の合格か技能実習の3年修了が条件です

特定技能1号の在留資格取得の条件

特定技能外国人が満たすべき基準には、

・18 歳以上で健康
・外国政府が発行する旅券を所持している
・名目を問わず保証金等を支払っていない
・母国の機関への費用支払いについてその額や内訳を理解して支払っている
・日本の受入れ機関への費用や居住費の支払いについてその内容を理解して合意した額が適正である
・各分野特有の基準に適合している

ことが挙げられます。

そのうえで、
・特定技能の試験（下記で解説する2つの試験）に合格していること
が条件となります。

また、試験以外に、技能実習を3年間終え、良好であるというルートもあります。下記の「試験の免除」がそれです。現在まではこのルートの方が人数的には多いです。

また、受け入れ機関側にも満たすべき多くの基準があり、申請書類も多岐にわたります。

申請書類や雇用契約・労働条件、在留期間についてはこちらをご覧ください
「在留資格の一つである特定技能1号について詳しく教えて」
「特定技能外国人を受け入れたい！雇用するのに必要な書類は？」
「特定技能制度の雇用契約と労働条件とは？」
「特定技能1号で5年の在留期間が満了したら、帰国しなければならない？」
「特定技能1号の受け入れは派遣でも可能ですか？」
「特定技能1号の指定書とは？雇用時にチェックすべきポイント」
「特定技能人材の受け入れには外国人支援が義務になっていますが、注意点はありますか？」

特定技能の2つの試験

技能試験

特定技能で就労を希望する外国人の技能水準を確認するため、業務分野ごとに学科試験または実技試験が行われています。

農業分野では、「耕種農業」と「畜産農業」の2つの試験区分があります。また、漁業分野では、「漁業」と「養殖業」の2つの試験区分となります。

日本語試験

「日本語能力試験（JLPT）」で「N4」以上、または「国際交流基金日本語基礎テスト（JFT-Basic）」の合格が必要です。日本語能力試験の要件となるN4は、基本的な日本語を理解できるレベルです。

農業や漁業分野での試験についてはこちらをご覧ください
「農業分野で特定技能を取得するためには、どんな試験があるのですか？」
「特定技能制度の外国人材は漁業分野でも受け入れられる？」

試験の免除

技能実習2号を「良好」に修了した外国人は、特定技能試験が免除されます。

技能実習2号を良好に修了するとは、技能実習を2年10ヶ月以上修了し、技能実習評価試験（専門級）の実技試験に合格することです。

技能実習評価試験を未受験、又は合格していない旧制度の技能実習2号修了者であっても、当時の指導員等が作成した実習実施状況に関する評価調書を提出するなど、技能実習2号を「良好」に修了したと評価されれば、特定技能1号として受け入れることが可能です。

特定技能外国人の受け入れ

特定技能での外国人材の受け入れについて、雇用形態は原則として直接雇用ですが、農業・漁業分野については派遣契約が認められています。

制度開始間もないため、試験合格者が少ない現状があります。

そのため、技能実習を3年修了する外国人を特定技能に移行して継続的に雇用するか、帰国した技能実習修了者を呼び戻すというのが実態に即しているといえます。

ただ、現在技能実習制度に関しては大幅な見直しが検討されており、今後大きく制度の改革がなされることが予測されます。