特定技能制度の雇用契約と労働条件とは？

YUIME Japan編集部 / 2023.08.08

経理・経営

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最近、近所の農家で外国人が活躍している様子をみて、うちでも受け入れてみようかと検討しています。

その農家さんにどうやって雇っているのか聞いたところ「特定技能制度」の人材を受け入れているとのこと。

てっきり技能実習生だと思っていたのですが、特定技能という制度があることを初めて知りました。

この特定技能制度で外国人を雇用する場合、どのような条件で雇えばいいのでしょうか？労働条件は日本人と同じなのでしょうか？

また、注意すべきことがあれば、教えてください。

堀口健治

早稲田大学名誉教授

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特定技能でも日本人と同様の労働関係法令に即した雇用契約を

特定技能雇用契約書

在留資格「特定技能」で外国人材を雇用する受け入れ機関は、入管法関連、労働関係、社会保険関係、租税関係の各法令を遵守し、外国人材の日本での活動を安定的かつ円滑なものにする責務があります。

特定技能での就労ビザ申請には、雇用契約書や雇用条件書の提出が求められます。作成のポイントを以下に示します。

労働基準法に即した労働条件を明示する

外国人材を雇用する場合には、日本人と同様に労働関係法令が適用されるので、これに即した労働条件を明示しなければなりません。

在留資格の基準を満たす

報酬額が日本人と同等以上であることや、業務内容が在留資格の活動範囲内であることなど、雇用契約の内容が在留資格の基準を満たしている必要があります。

不許可時を想定した条項を盛り込む

就労ビザ審査が不許可になる場合を想定し、在留資格の取得を条件として雇用契約が効力を発する、という条項を盛り込んでおきましょう。

翻訳文をつける

外国人が内容を理解できるように、当該外国人の母国語に翻訳したものも作成しましょう。

特定技能外国人の雇用に必要な書類や条件はこちらをご覧ください
「特定技能外国人を受け入れたい！雇用するのに必要な書類は？」
「特定技能1号の在留資格取得の条件と試験について教えてください」
「特定技能1号の在留資格取得の条件と試験について教えてください」
「特定技能1号の指定書とは？雇用時にチェックすべきポイント」
「特定技能制度を使って外国人を受け入れたいが、労働保険の加入が必要になるの？」

雇用契約の内容

特定技能制度では、在留資格の取得要件として雇用契約書に盛り込む事項が定められています。

特定技能雇用契約書に盛り込む事項の例

・所定労働時間が企業内の通常の労働者と同等である
・報酬額が、日本人が従事する場合と同等以上である
・契約期間が満了した外国人の出国を確保するための措置がある
・一時帰国を希望した場合、休暇を取得させる　など

特定技能制度の雇用契約書、雇用条件書の記載例は、出入国在留管理庁ウェブサイト「在留資格『特定技能』に関する参考様式（新様式）」を参照してください。

特定技能雇用契約におけるポイント

特定技能外国人材にも、日本の労働基準法をはじめとする労働法令等が適用されます。

技能実習生を受け入れる場合は管理団体を通しますが、特定技能の場合は他の機関を通さず、受け入れ企業が主体となり受け入れます（受け入れ企業と特定技能外国人との2者間による直接雇用）。

技能実習から特定技能に移行する場合は、移行後は管理団体の手を離れて雇用することになります。

特定技能の手続や更新方法、派遣雇用についてはこちらをご覧ください
「特定技能人材の受け入れには外国人支援が義務になっていますが、注意点はありますか？」
「特定技能1号とは？農業や漁業でも雇用できますか？」
「在留資格の一つである特定技能1号について詳しく教えて」
「特定技能1号の受け入れは派遣でも可能ですか？」