小型底定置網に興味があるので、どんな漁法なのか知りたいです

小型底定置網は網を海底に設置して魚を獲る漁法です

小型底定置網とは

底定置網とは定置網の一種で、定置網を海底に沈めて、アンカーなどで網を固定して行う漁法のことです。

一般的な定置網漁は浮き式とよばれ、箱網を海の表面に浮かせています。

そのため、浮き式と底定置網とでは、網の設置方法や漁獲できる魚に違いがあります。

水深27mより浅い場所に設置するものを小型底定置網と呼び、ヒラメ、カンパチ、シマアジ、アオリイカなどを漁獲することができます。

浮式の定置網の構造についてはこちらをご覧ください
「定置網とは？どういう仕組みや構造で魚を漁獲しているのでしょうか？」

底定置網の仕組み

底定置網の仕組みは、一般的な定置網とほとんど同じです。

底定置網でも、泳いでいる魚が垣網に沿って、運動場へ誘導されます。

魚が運動場を泳ぎ回るうちに、一部の魚が底定置網の奥（袋網）へ向かいます。

袋網は返しによって魚が再び外へ出にくくなる構造となっており、袋網に魚が溜まります。

こうして袋網に溜まった魚を引き揚げて獲るのが底定置網の仕組みです。

定置網の仕組みについてはこちらもご覧ください
「定置網の身網の役割を教えてください」
「定置網漁で使用する網の運動場の役割が知りたい」
「定置網で使われているブイはどんな役割があるのでしょうか？」

底定置網漁の作業手順

底定置網漁の作業手順は、おおまかに下記の通りです。

1、網を固定するための錨（いかり）や土のうを海へ投下する
2、錨や土のうにつながったロープを使って定置網を設置する
3、ロープを巻き上げて袋網にかかった魚を獲る
4、定期的に網を引き揚げて汚れを洗浄する

底定置網漁では、作業負担を少なくするために、ユニック付きの漁船があると便利です。

また、底定置網を設置する場所は錨や土のうを固定させやすい海底が望ましく、錨が効きにくい岩盤は不向きです。

底定置網のメリット

時化（しけ）につよい

底定置網の特徴として、浮き式定置網と比べて時化に強いメリットがあります。

これは、海底が海面付近よりも波の影響を受けにくく、網やロープが揺らされにくいことが理由です。

その結果、底定置網では時化による網の損傷が少なく、また、海底付近にあるため網に汚れがつきにくいと言われています。

低コスト少人数で始められる

底定置網は、浮き式よりも低コストで定置網を導入できます。小型のものであれば、導入費用は約1千万円程度です。

さらに、操業も少人数で行うことができます。

定置網漁師の働き方や作業内容についてはこちらをご覧ください
「定置網漁師はどんな作業をしているのですか？」
「定置網の操業期間を教えてください」
「定置網の仕立て方がわかりません。どうやればいいのか教えてください」
「定置網のメンテナンス方法はどうやってやるべき？」

小型底定置網を始めてみよう

底定置網は、海面からは直接見えない海底に定置網を設置して魚を獲る漁法のことです。

仕組みは一般的な定置網と同じですが、袋網を設置する水深が違うため、漁獲できる魚の種類は異なります。

底定置網の特徴をよく知り、底定置網漁に挑戦してみてはいかがでしょうか。