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定置網漁で使用する網の運動場の役割が知りたい

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定置網漁で使用する網の運動場の役割が知りたい

漁師になって定置網漁をしている船に乗ろうかと考えています。定置網量漁についていろいろ調べている最中ですが、運動場の役割がイマイチよくわかりません。

垣網から登り網にそのまま魚を移動させればいいのでは?と考えてしまうのですが、なぜ運動場は必要なのでしょうか。

運動場の役割を教えてください。

石戸谷 博範

海と定置網の研究室

運動場は魚の警戒心をほぐすための役割を持っています

定置網の仕組みと運動場


定置網漁では魚の習性を利用し、魚の進路を妨げるように設置した垣網を伝い、運動場の中に誘導します。

そして、運動場の中に入った魚が網の中を自由に動き回りながら、いつの間にか登り網を通り、外に出ることが難しい箱網に移動します。

定置網の構造の図

定置網の構造についてはこちらをご覧ください
定置網はどういう構造で魚を漁獲しているのでしょうか?
定置網の身網の役割を教えてください



定置網漁における運動場の役割


定置網は垣網によって魚を誘導し、運動場に入るように設計されていますが、運動場が狭すぎたり魚が密集していると、中に入らなかったり、魚が中に入っても出てきてしまう場合があります。

そのため、ある程度の大きさの運動場が必要になります。

もしも魚が垣網から直接登り網を通り、箱網にスムーズに移動するのであれば運動場は入りませんが、必要ありません。

しかし、実際魚は急に狭まっていく網に魚が警戒心を抱き、登り網を通っていかなくなります。

そのために運動場が必要となります。

つまり運動場の役割には、登り網を通らせる前に魚の警戒心をほぐすことです役割があるのです。


定置網における運動場の大きさ


魚の警戒心をほぐすための運動場は、2~3人で操業する小型の定置網の場合でも、大きさは数十m程度必要で、これよりも小型化することは難しいです。

運動場に入りやすく出にくい障子網の角度は、60度よりも90度の方が入網率が高いものの、逃避率も高くなってしまうので、60度の方が漁獲量が上がるという研究結果があります。
運動場の角度を紹介した図

そのため、運動場の入口は、直角にするよりも、少し狭めた入口にしておくと、漁獲しやすい定置網になります。

しかし、漁獲する魚によっても異なるので、試行錯誤しながら魚が入りやすく、逃げにくい角度を探してみましょう。

このお悩みの監修者

石戸谷 博範

海と定置網の研究室

定置網漁業学の専門家。2009年水産海洋学会より「相模湾における急潮と定置網漁業防災対策に関する研究」で宇田賞を授与。定置網漁業に関する国、地方、業界の各委員を務め、日本沿岸各地の地域活性化に取り組んでいる。博士(東京大学農学)。

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