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定置網漁師はどんな作業をしているのですか?

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定置網漁師はどんな作業をしているのですか?

地元に帰り、憧れていた漁師になろうと考えています。知り合いの定置網船に乗せてもらう予定で、ゆくゆくは独立するつもりです。

しかし、今はまだ定置網漁師がどんな作業をするのかきちんと理解していません。

船に乗って魚を獲るイメージはあるのですが、ほかにどんな作業をしているのでしょうか?

具体的にイメージしておきたいので、定置網船の漁師の作業内容について教えてください。

石戸谷 博範

海と定置網の研究室

定置網漁師は、網を仕掛け、漁獲し、港での水揚げや船の整備など、漁に関わる作業を行います

定置網漁師が行う作業


定置網漁師の一日の仕事は、まず明け方に出港し、漁場に仕掛けてある「身網」に入った魚を船内に取り込む「網起こし」を1〜2時間かけて行います。

その後、再び網を仕掛けてから、市場のある港へ向かいます。

港では水揚げを行い、船の清掃を済ませれば一日の仕事はほぼ終了です。

船の機関の整備や修理、網の補修などを行うこともありますが、多く場合、昼頃には仕事が終わります。

船上での作業と陸での作業を作業効率よく組み合わせて行うのが、定置網漁師の特徴です。


ロープワーク・網の補修作業


漁具の製作やブイと網を結ぶなど、定置網の漁師はロープワークを使って行う作業があります。

ロープワークにはまき結び、もやい結び、いかり結びなど、いろいろな種類があるので、漁師になるにはこういった技術も必要になります。



また、網の補修も重要な作業の一つです。

網の状態を確認して、破れて穴が空いている部分、ほつれている部分を見つけて、網針などの専用器具を使って補修します。

網針に網糸を巻き、網糸で網地を編み、そして網地穴を補修していきます。



漁場についてからの船上での作業


漁場に着いてからは、揚網機を使用して網を揚げる作業があります。

箱網を巻き上げ、漁獲した魚を魚倉に移していきます。およそ1〜2時間を要する作業で、最も体力が必要とされます。

魚を取り込み終えたら、網を再設置して港へ向かいます。船によっては、この間に網の補修などの作業を挟むこともあります。

網起こしの方法についてはこちらをご覧ください
定置網漁の網起こしのやり方を教えてください



港に帰港してからの作業


港では、水揚げの準備や水揚げ作業とともに、種類やサイズなどで魚を選別する作業があります。

さらに、出荷用に箱詰めしたり、活魚と鮮魚の区別作業も行うことになります。

また、漁具を補修したりするのも定置網漁船に乗っている漁師が行います。

定置網のメンテナンス方法についてはこちらをご覧ください
定置網のメンテナンス方法はどうやってやるべき?

このお悩みの監修者

石戸谷 博範

海と定置網の研究室

定置網漁業学の専門家。2009年水産海洋学会より「相模湾における急潮と定置網漁業防災対策に関する研究」で宇田賞を授与。定置網漁業に関する国、地方、業界の各委員を務め、日本沿岸各地の地域活性化に取り組んでいる。博士(東京大学農学)。

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