相模湾ではどのような定置網漁が行われていますか？どんな魚が獲れるの？

YUIME Japan編集部 / 2023.08.09

漁港

#沖合 #沿岸 #神奈川県 #定置網

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現在、東北で親方のもとで修行をしながら定置網漁船に乗っている漁師です。いつか独り立ちしたいと思い貯金をしてきましたが、年齢的にもそろそろ地元に戻って漁師になるべきかと悩んでいます。

地元は神奈川で、両親は漁師の家系ではないのですが、相模湾では定置網が有名なので、これまでに得た経験を生かせるのではないかと思います。

しかし、相模湾の定置網漁はどんな魚が獲れて、どのように行われているのかイメージがつかないので、詳しく教えてもらえないでしょうか。

石戸谷博範

海と定置網の研究室

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相模湾は小田原が最大の漁場で、さまざまな魚を漁獲できます

相模湾での定置網漁

定置網漁は神奈川県沿岸漁業の生産量6割以上を占め、主な漁法のひとつです。

相模湾は暖流と寒流が混合する豊かな海域として知られており、さまざまな海洋生物が生息しています。

相模湾最大の定置網漁場【小田原】

相模湾最大の定置網漁場は小田原港です。

小田原港は海の水深が深く、餌となる良質のプランクトンやシラス等餌料ともなる生物が豊富に生息しています。

また、小田原の海には酒匂川や相模川、箱根山や富士山の伏流水などが流れ込むため、魚が生息しやすい環境を作り出しています。

日本全国で年間を通して定置網漁ができるのは、高知県、富山県、神奈川県で、この地域は風を避ける半島や海の水深が深いという共通点があります。

漁業組合の鮮魚直売

定置網を営む各漁業組合では、港での朝市やJAの直売所へ、朝どれ鮮魚の出荷を行い、新鮮な魚を地域住民に提供しています。

相模湾の定置網漁で捕獲できる魚種

相模湾の定置網漁で漁獲できる代表的な魚の種類は以下の通りです。

中水層～深層に生息する魚	〜水深100mほどに生息する魚（黒潮系）
アラサクラエビアカムツクロムツスミヤキキンメダイオニカサゴホタルイカアブラボウズ	ブリマグロマゴチカツオスズキマアジマサバゴマサバマダイハナダイイシダイマイワシウルメイワシカタクチイワシカワハギヒラマサホウボウカンパチトビウオサワラカサゴイセエビヤリイカアオリイカサザエワカメ

日本の海には4000種の魚がいるといわれていますが、相模湾には、その内の約4割の魚が生息しています。

また、近年の相模湾の漁業生産量は約30,100トンで、内訳、遠洋漁業が約18,500トン、沿岸漁業が約10,200トン、沖合漁業は約400トンです。

定置網で獲れる魚種についてはこちらもご覧ください
「定置網漁で獲れる魚種を教えてください」

相模湾で定置網漁を実施するポイント

相模湾では、魚の産卵期を守るために、魚種ごとに漁獲してはいけない期間が決められています。詳しくは以下の表をご参照ください。

魚種	禁止期間
アワビ	11月1日～12月31日
タイラガイ	6月1日～8月31日
イセエビ	6月1日～7月31日（卵を持った抱卵いせえびは、禁漁期間以外でも採捕禁止）

また、以下の魚種については漁獲してはいけないサイズが定められています。

魚介類	採ってはいけないサイズ
ブリ	全長15cm以下
アワビ	かく長11cm以下
アサリ	かく長2cm以下
サザエ	かくがい長径3cm以下
ハマグリ	かく長4cm以下
ミルガイ	かく長9cm以下
イセエビ	体長13cm以下
クルマエビ	体長（眼の付根から尾端まで）8cm以下
タイラガイ	かく高18cm以下