由比漁港での定置網漁はどのように行われていますか？

YUIME Japan編集部 / 2024.02.28

漁港

#静岡県 #定置網 #沖合 #沿岸

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山陰地方で漁師をやっていますが、両親が高齢になったこともあり、地元の静岡に帰ることになりました。

静岡に帰ってからも漁師を続けていこうと考えていますが、現在は定置網漁船に乗っているので、できれば定置網が盛んな漁港で働きたいです。

いろいろ情報収集を続けているのですが、静岡の由比では定置網が盛んだという話を耳にしました。

うちの実家からも近いエリアなので、具体的に仕事があるか探してみようと考えていますが、その前に、どのような特徴がある漁港なのか、教えていただけないでしょうか。

石戸谷博範

海と定置網の研究室

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由比漁港ではプランクトンが豊富なため、定置網でさまざまな魚が漁獲できます

由比漁港の漁業の特徴

由比漁港は、静岡県清水区の由比・蒲原地区に位置し、駿河湾南部にあります。

古くから地域の基幹産業として水産業が盛んであり、桜えびが水揚げされることで有名です。

桜えび漁業の営業許可を得ているのは、国内で駿河湾のみとなっており、特に由比漁港の代表的な水産物と言えます。

駿河湾は日本最深の湾であり、水深が2500メートルに達することから、そこで獲れる魚の種類も豊富です。

また、サクラエビ漁以外にも、シラス漁や定置網漁などが盛んに行われています。

由比漁港の定置網漁

定置網は、魚の回遊する場所に網を設置して、その網に誘導された魚を獲る漁法です。

定置網の構造

網のサイズは、50mプール10個分以上の大きさになる大型のものから、家族経営で行われている小型定置網まで、さまざまな規模で行われています。

由比の定置網漁で獲れる魚種

由比の定置網漁で水揚げされる魚の種類は非常に豊富です。

代表的な魚種は、アジ、タチウオ、サバ、タイ、ヒラメで、近年は大型のブリや太刀魚なども獲れるようになってきています。

駿河湾は大井川・安倍川・富士川などの河川水の影響を受けるだけでなく、富士山の雪解け水も流れ込んでおり、魚のエサになるプランクトンが豊富です。

そのため、水揚げされる魚種も多いと言われています。

定置網で漁獲できる魚種についてはこちらをご覧ください
「定置網漁で獲れる魚種を教えてください」

由比の定置網漁の特徴

由比の定置網漁は5月が最盛期となります。

ここで獲れる「根付のアジ」は、「黄金のアジ」「倉沢のアジ」とも呼ばれており、高値で取引されることでも有名です。

根付のアジは、回遊せずに駿河湾の桜えびなどの豊富なエサを食べて成長することで、水に濡れると黄金に見える特徴があります。

また、水深の深さゆえに、リュウグウノツカイやシュモクザメのような、日頃あまり見る機会のない深海魚が入ることもあり、多種多様な魚が見られることでも知られています。

由比で行われる新しい魚網の導入

由比の定置網では、新リース事業(水産業成長産業化沿岸地域創出事業)の活用が進められています。

この新リース事業を活用することで、スレや小型魚の混獲を抑え、悪天候でも全面撤去の必要がない新しい網の導入が可能になります。

この網が導入できると、操業日数の増加や網容積の上昇が可能になり、水揚げ量の増加や、漁業収入の向上が期待できます。