レンコン栽培は利益がでやすいと聞きましたが、本当に儲けられますか？

レンコン栽培で儲けるには規模拡大か差別化がポイント

レンコン栽培の所得と収支

レンコン栽培の売上高は地域や出荷時期、また作型や品種によっても変動しますが、平成30年の徳島県農業経営基盤の強化の促進に関する基本方針によると10アール当たりおよそ130万円程となり、他の露地野菜よりも高い傾向にあります。

現在は栽培面積の急増等で変動があるものの、変わらず利益率が高い品目だと言えるでしょう。

レンコン栽培には専用の農機具や種レンコンの入手が必要となるので初期投資はかさみますが、自家採種できるので次年度以降は経営費の13〜14％を占める種苗代が不要となります。

初期投資による15〜16％を占める減価償却費も直接的に支出されるものではなく、留保される分となり、2年目以降の所得率は高いといえます。

栽培方法や条件についてはこちらをご覧ください
「レンコンの栽培方法が知りたい。植え付けや収穫の時期はいつ？」
「レンコンをハウス栽培したい！栽培方法を教えていただけますか？」
「レンコンの栽培時期と生育スケジュールを教えて」
「レンコンの栽培に適した田んぼの条件は？」
「レンコン栽培では収穫が大変だと聞きましたが、どのような方法で収穫しているのですか？」

レンコン栽培の規模を広げる

レンコン栽培における経営可能面積は、収穫と栽培管理の労力によって大きく影響されるが、一般的には1人当たり70アール程度までが目安とされています。

労力を3人とする一般的な農家として見た場合、標準的な経営面積は2〜3ヘクタール程度となります。

中には1人当たりで2ヘクタールを栽培する農家や、雇用により人材を確保し大規模経営を行う農家もあります。

ただし、経営規模を拡大するには労働力の確保が重要な課題となります。

レンコン栽培の差別化に取り組む

収穫後のレンコンは洗浄後に出荷されるだけでなく、泥付きのまま出荷する場合もあります。

都市部の市場では洗浄されたレンコンが主流となっていますが、泥付きの方が日持ちが良いとされてます。

レンコン流通の形態としては、1節単位にカットしてパック詰めされたカットレンコンの他に、3〜4節を連結した状態で流通させる形態もあります。

また加工品として、レンコンを輪切りにした水煮レンコンの需要も高いです。出荷先のニーズを見極めることも重要になってきます。

生食の他にも加工品として、乾燥させたレンコンチップや粉末を練り込んだ麺や焼き菓子、また葉を使用したお茶といったように多様な加工が可能となっています。

加工品にすることで、規格外のレンコンも利用できます。

レンコンは芽付きの先端部分から第1節、第2節、第3節と数えます。

1節目は肥大が一番遅く、若い節でシャキシャキとした食感が特徴です。

節の順を追うごとにシャキシャキ食感からもっちりとした食感へと変化していきます。

品種や部位ごとに適した加工・調理用途を提案することも一案です。

レンコンの産地ごとの取り組みについてはこちらをご覧ください
「レンコン栽培が盛んな産地はどこですか？地域ごとに特徴を教えてください」

レンコン栽培で儲かるコツ

近年、1本5,000円という高単価のレンコンが大ヒットし、話題となりました。

実家のレンコン農家に就農した民俗学者が、多くの苦境を乗り越えながら、その専門知識と積極的なマーケティングによるブランディングに成功され、著書も出版されております。

食感や色で差別化したり、出荷方法やパッケージで工夫したり、生産物に付加価値をつけ、ブランディングしていくことも一つの方法です。