レンコンがかかりやすい病害虫の種類と対策を教えて

YUIME Japan編集部 / 2023.02.16

分析・管理

#レンコン #野菜作 #病害虫 #根菜類

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レンコンを育てはじめてばかりですが、病害虫被害を受けたのかうまく育ちません。

近所の農家さんに相談したら「ちゃんと対策をしていないからだ」と言われてしまいました。

しかし、レンコンはどんな病気や害虫に気を付けるべきなのか、ちゃんと把握できていません。

来年こそはちゃんと収量を上げていきたいので、レンコンが被害にあいやすい病害虫の種類や予防法、かかってしまった場合の対策について教えて下さい。

野田勇人

特定非営利活動法人れんこん研究会　理事長

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レンコンの一番の敵は腐敗病。昨今では鳥害やカメの被害も見られます

レンコンが被害にあいやすい病害虫の種類

レンコンの病害虫は生産地や環境によってさまざまな種類がありますが、代表的なものは以下の通りです。

クワイクビレアブラムシ

体長2mm前後、赤褐色または緑褐色をしたアブラムシの一種です。

レンコンには5月頃から侵入し、レンコンの茎葉や雑草に寄生して、6月頃まで被害を与えます。

レンコンは被害を受けると、葉が変形して成長を妨げられます。

イネネクイハムシ

イネネクイハムシは主に幼虫が茎やレンコンに穴をあけて食害します。

伸び始めたレンコンの根が食害されると、葉自体が小さくなったり浮葉や立葉の数が少なくなったりして、最終的には収量に影響します。

さらに、成虫になってからも6月下旬〜7月中旬に現われ卵を産み付けるため、長期間で防除が必要です。

腐敗病

レンコンの地下茎から感染し、発症する病気です。

病原菌は土壌中のフザリウム菌またはピシウム菌です。

6月下旬から発生し始め、8月下旬が被害のピークとなります。

発症すると葉の縁が色褪せていき、次第に葉全体が枯死してしまいます。

センチュウ

レンコンネモグリセンチュウという線虫の一種が起こす被害です。

レンコンの表面を凹凸にし、表皮が黒変するのが特徴です。

一見地表部では確認することができないため、発見するのが難しいです。

褐斑病

糸状菌が原因の病気です。最初は葉に褐色の斑点が発症し、のちに多角形の褐色病斑に拡大します。

多湿時には黒っぽいカビが発生し、発病が激しいと枯死してしまう場合もあります。

鳥害

カモやバン、ハクチョウなどの渡り鳥による食害も問題となっています。

カモは夕方暗くなり始めるとレンコン水田に飛来して、地下茎を食害します。

特に、レンコンが浅い位置にできる品種や柔らかい土壌ほど被害を受けやすい傾向にあります。

アメリカザリガニ

アメリカザリガニが畦畔に巣穴を掘ると、そこから水漏れする被害が生じます。

また、発生数が多い場合などは、浮葉などを食害し、初期生育が悪くなったりする場合があります。

ミシシッピアカミミガメ

昨今では上記病害虫に加えて、ミシシッピアカミミガメによる食害も問題となっています。

4～6月頃にレンコン水田に侵入して、地上に伸びてきた新芽を食害します。

特に、水路に隣接した田ほど被害を受けやすい傾向にあります。

レンコンが病害虫被害にあわないための予防策

レンコン栽培において最も多発している病害虫は、腐敗病です。

一度発症してしまうと以降の収穫にも影響を及ぼすため、発症させないことが重要です。

レンコンの病害虫に対してはこれまでにさまざまな予防策が取り入れられてきましたが、昨今では石灰窒素を使った太陽熱消毒処理が広く用いられています。

特に、センチュウは比較的浅い部分に発生していると推測されており、この対策が有効だと言われています。

特定の害虫については薬剤防除が最も効果的で、指定の時期に散布することで被害を抑えられるでしょう。