レンコン栽培では収穫が大変だと聞きましたが、どのような方法で収穫しているのですか？

YUIME Japan編集部 / 2023.10.23

生産方法

#レンコン #収穫 #野菜作

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農業仲間からレンコンが道の駅で人気だと聞いたので、レンコン栽培に興味を持っています。

水田が借りられそうなので、そこで育ててみようと考えているのですが、レンコンの収穫作業は大変だと聞いたので、少し不安に感じています。

調べてみたところ、栽培方法や土の性質によってそれぞれに適した収穫方法があるようです。

また、大型の機械を購入しないといけないのか、また手堀りでも可能なのか、具体的にどうやって収穫すればいいのでしょうか。

野田勇人

特定非営利活動法人れんこん研究会　理事長

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レンコンの収穫法には鍬ぼりと水ぼり、総掘りと条（すじ）掘りがあります

レンコンの収穫　総掘りと条掘り

総掘り

圃場の全てのレンコンを収穫する方法です。全掘りとも呼ばれ、種場を残さないので以下に述べる条掘りと比較して2割程度収量が増え、品質も良いとされています。

しかし、次年度分の種レンコンとして、別に専用圃場を設けるか、種レンコンを購入する必要があります。

条掘り

主に露地栽培で行われ、残し掘りとも呼ばれます。3～4メートル幅で帯状に収穫し、隣り合う1メートル幅を次年度の種レンコンとして収穫せずに残す方法です。

圃場に収穫残渣（ざんさ/かす、不要な植物体）が残ることで、残渣付近に出来るレンコンに影響を与えることがあり、総掘りよりも比較的品質や収量が劣る傾向にあります。

また、長く続けると品質の低下をまねくため、3年に一度は総堀りをした方が良さそうです。

種レンコンを確保する手間が無く、春の植え付けも省力化できることから、栽培面積の広い圃場で行われることが多い収穫方法です。

レンコン栽培における収穫法　手堀りと水掘り

手掘り

土掘りとも呼ばれ、収穫直前に水を抜き、専用の熊手（鍬）を用いて少しづつ掘っていく方法です。

主に乾田化できる粘質土壌で行われています。

レンコン用に改良した小型のバックホー（油圧ショベル）を用いて表土を取り除いてから、手作業で掘り取ります。

水掘り

バルブ給水や井戸、用水路や圃場から機械で水を汲み上げ、ポンプの水圧によってレンコン周りの泥を飛ばして収穫する方法です。

レンコン栽培に必要な農具についてはこちらをご覧ください
「レンコンを栽培するのに最低限必要な農具を教えてほしいです」

手堀と水掘りのメリット・デメリット

レンコンは、産地ごとの土質や水条件によって収穫方法が異なり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

レンコン栽培には水が不可欠ですが、周年湛水（たんすい/水をたたえること）が不可能であれば、水掘りはできません。

また、重粘土質の土壌では、水掘りは困難だとされます。

そのため、水田転作には手掘りが適しているといえます。

手掘りであれば比較的特別な準備によらず、早期に良品質のレンコンを栽培できます。

小規模であれば、特別な機械も用いることもありません。水掘りのような土壌の変化も起きにくいので、イネ田に戻す際も容易です。

栽培に適した田んぼの特徴についてはこちらをご覧ください
「レンコンの栽培に適した田んぼの条件は？」

収穫前の茎狩りと渋抜き

収穫したレンコンの表皮が赤褐色になることがあり、赤渋と呼ばれます。品質に問題はありませんが、評価は落ちます。

赤渋はレンコンの呼吸によって起きます。

葉から取り込んだ酸素を茎や根に送る際に、泥中のレンコンの表皮から放出されるときに、酸素が鉄と反応して酸化鉄の赤さび色が表皮に沈着します。

赤渋は、収穫前に葉を刈り取り（茎狩り）、地下部への酸素供給を断つことで防ぎます。

この一連の作業を、渋抜きと呼び、収穫前の重要な作業となっています。

一般的なレンコンの栽培方法についてはこちらをご覧ください
「レンコンの栽培方法が知りたい。植え付けや収穫の時期はいつ？」