レンコンをハウス栽培したい！栽培方法を教えていただけますか？

レンコンのハウス栽培はある程度の経験が必要。新規就農なら露地栽培がおすすめ

レンコンの栽培 露地とハウスの違い

レンコンは露地栽培のほかに、トンネル栽培やハウス栽培など、様々な作型で栽培することができます。それぞれにメリット・デメリットがあり、どの方法を選択するかは栽培地の条件や経験によって異なります。

露地栽培は自然環境で栽培をおこなうため、施設などの初期投資がかからないことや、自然に育った野菜本来の美味しさを感じられることがメリットとして挙げられます。

一方ハウス栽培はビニールハウスを準備する手間や費用が必要ですが、自然災害の影響が少ないため、比較的安定した収量が見込めるという特徴があります。

しかし本来ならば自然環境下で成長するレンコンを人工的な環境を生成して生育するため、ハウス栽培はある程度の技術と経験がないと難しいでしょう。換気と施肥管理が特に重要で収量を大きく左右します。

特にハウス栽培で重要なのは保温と換気です。ハウス内が高温になりすぎると葉焼け起こしてしまう一方、換気時に冷たく乾いた風が当たると葉傷みをおこしてしまいます。

そのため、2月から3月上旬頃までは締め切り、その後気温の上昇につれ換気の回数を増やし、最終的には常時開放するような管理が一般的に行われています。

ちなみにトンネル栽培も、フィルムや寒冷紗をトンネル状に被覆することで水温の低下を防ぎ、生育を促進する栽培方法です。

ハウスに比べて温度上昇が高くないため、6月上旬頃に収穫期を迎えるハウス栽培に比べて、トンネル栽培の収穫期は7月下旬頃と少し遅めです。

栽培方法や繁殖、作型、農具などについてはこちらをご覧ください
「レンコンの栽培方法が知りたい。植え付けや収穫の時期はいつ？」
「レンコンを栽培するのに最低限必要な農具を教えてほしいです」

レンコン栽培の所得と収支についてはこちらをご覧ください
「レンコン栽培は利益がでやすいと聞きましたが、本当に儲けられますか？」

レンコンのハウス栽培の流れ

レンコンをハウス栽培で育てる場合、植え付けから収穫までは以下のような流れとなっています。

植え付け

ハウス栽培の場合は2月上旬〜3月の植え付けが一般的で、露地栽培よりも少し早いスケジュールとなります。

植え付けの手順は、他の作型と同じです。まず植え付けをおこなう一週間ほど前に土壌に元肥をまき、代かきをおこないます。

土を柔らかくし均一にならすことで、種レンコンが植えやすくなり水を均一に張ることができます。

成長途中で茎が折れないよう、しっかりと土の中に植え付けます。深さは土の上に少し芽が出るくらいが目安です。

種レンコンから生えている新葉は柔らかいため、傷つけないよう注意してください。

植え付けや害虫についてはこちらをご覧ください
「レンコンは種から栽培するのと種レンコンを植え付けるのでは、どちらがいい？」
「レンコン栽培で使用する農薬は、どんな病害虫に対して効果があるの？」

収穫

ハウス栽培のレンコンの収穫は、6月上旬頃から始まります。収穫方法には、水を張ったままおこなう「水ぼり」と、水を抜いた状態で収穫する「鍬ぼり」があります。

水ぼりは、水圧ホースを使ってレンコンを掘り出す方法で鍬ぼりに比べてレンコンが傷つきにくいというメリットがあります。

一方、鍬ぼりは水を抜いてから表層15〜30センチ程度の土を専用の機械で取り除き、手作業で土を掘りながらレンコンを収穫します。水ぼりに比べると作業時間がかかりますが、泥をつけたままの新鮮なレンコンが収穫できます。

水堀りの方法についてはこちらをご覧ください
「レンコン栽培では収穫が大変だと聞きましたが、どのような方法で収穫しているのですか？」

ハウス栽培の特徴

レンコンを露地栽培で育てる場合、収穫期にあたる9月の台風被害が課題となります。しかしハウス栽培の場合は台風が来る前に収穫期に入るため、こうした懸念点がないのも大きなメリットといえます。

最近では露地栽培とハウス栽培を組み合わせて長期間出荷できるように取り組む農家も増えています。しかしハウス栽培は初期費用がかかることや温度調整が難しいことから、新規営農の場合はまず露地栽培からスタートするのがおすすめです。

レンコンの露地栽培についてはこちらで詳しく紹介しています
「蓮根の栽培に適した田んぼの条件は？」