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マグロの養殖に関する問題点とは?マグロ養殖の実例や現状について知りたい

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マグロの養殖に関する問題点とは?マグロ養殖の実例や現状について知りたい

マグロの養殖に興味をもっている漁師です。

マグロの養殖と言えば、近畿大学の研究が世間でも話題になり、私も期待していました。

しかし、その後はあまり耳にすることがなくなってしまいました。何か問題があって、養殖が進んでいないのでしょうか?

いますぐにやるのは難しいですが、いつか漁師仲間たちとマグロ養殖をやりたいと思っているので、どんな状況なのか知っておきたいです。

具体的にどんな課題があるのか、教えていただけないでしょうか。

中平博史

全国海水養魚協会 専務理事

マグロの養殖ではエサや種苗の確保が課題となっています

マグロを養殖するうえでの問題点


種苗の確保が安定しない


マグロを養殖するためには、マグロの幼魚を自然界で漁獲したり、親魚から人工的に種苗を育成する必要があります。

マグロの幼魚は資源が減少しており、水産資源を守るために漁獲制限があります。

また、人工的に種苗を育成する技術についても、種苗が生育途中に死亡するケースがあるため、安定化には至っていません。

マグロ養殖の完全養殖についてはこちらをご覧ください
マグロ養殖の稚魚を人工種苗にできますか?



マグロ養殖に適した海域が少ない


マグロの養殖では、安定した生育のために海水温が高い海域で養殖する必要があります。

さらに、マグロが泳ぎ回れるような広い漁場であることや、河川の流入が少なく波がおだやかであることなど、養殖に適した海域にはさまざまな条件があります。

そのため、マグロの養殖場所を確保することが問題点のひとつでもあります。

マグロ養殖に適した環境についてはこちらをご覧ください
マグロ養殖に適した環境を教えてください
マグロの養殖に適している場所とは?条件を教えてください



エサの安定確保が難しい


マグロ養殖では、マグロのエサに関する問題点もあります。

養殖マグロの出荷サイズは30〜50キログラムですが、マグロが成長するまでには多くのエサが必要です。

マグロの養殖では、主に生エサとしてサバ等を使用していますが、エサの確保やエサ代の高騰などたくさんの問題があります。

マグロに与えるエサについてはこちらをご覧ください
マグロ養殖でエサに配合飼料を与えることは可能ですか?
マグロ養殖の餌代を削減できる方法はある?



完全養殖の難しさ


完全養殖は、水産資源を減らすことなくクロマグロの出荷ができるため、環境に優しい養殖技術であると着目されています。

しかし、完全養殖は種苗の品質のばらつきや生存率が高くないなどの問題点もあります。

現状では課題の多い完全養殖ですが、着実に技術は進歩しており、今後に期待ができる養殖技術です。


問題点を知りマグロ養殖を検討しよう


マグロの養殖では、エサや種苗などの確保が問題点として挙げられます。

しかし、近年では養殖技術の発達から養殖マグロの出荷量も増加してきました。

また、水産資源を減らさない完全養殖の研究も進んでいます。

課題の多いマグロの養殖ですが、技術や研究の進歩により今後の発展にも期待がかかります。

マグロの養殖に関する問題点について理解を深め、新たにマグロの養殖を検討してみてはいかがでしょうか。

このお悩みの監修者

中平博史

全国海水養魚協会 専務理事

全国海水養魚協会の専務理事や一般社団法人マリン・エコラベル・ジャパン協議会の理事を務める、魚類養殖業のプロフェッショナル。養殖水産物の輸出や赤潮などの環境保全対策活動にも携わっている。

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