レモン栽培を寒冷地で行うことは可能ですか？

寒冷地ではハウス栽培でレモンを育てましょう

寒冷地でレモン栽培をするのは難しい

一般的に、寒冷地とは東北地方や信越地方など冬の寒さが厳しい地域を指します。年平均気温が10度前後で、根雪期間が長く、無霜期間が短いことが特徴です。

レモンは寒さに弱い

レモンは、寒さや風に弱い特徴をもっている果樹です。

レモンの木は、マイナス3度以下の温度で枯れてしまう恐れがあるため、冬の厳しい地域では防寒対策をしなければなりません。

そのため、国内においても寒冷地での栽培事例は少ないのが現状です。

霜や雪にあたると傷む

レモン栽培においては、低温だけでなく霜や雪にも気をつける必要があります。

霜や雪にあたってしまうと、レモンの葉や実がしおれたり傷んだり、木が枯れたりする可能性があります。

また、霜や雪などでレモンの実が傷むと収量にも影響がでてきます。

そのため、レモンの寒冷地での栽培は難しいのが現状です。

栽培に適している環境条件についてはこちらをご覧ください
「レモン栽培に適した気候について知りたいです」
「レモンの栽培条件について教えてください」
「レモン栽培に適した温度はどれくらい？」
「レモンの施設栽培における日当たりはどう管理すべき？」

寒冷地でレモン栽培をするならハウス栽培がおすすめ

寒冷地でのレモン栽培は難しいですが、温度を調節できるハウス栽培であればレモンを栽培できます。

ハウス内を加温して温度を保てる

ハウス栽培では、ハウス内を加温したり内張りカーテンをしたりすることで、冬の低温対策ができます。

その結果、レモンを枯らさずに越冬させられます。

また、レモンの品種ごとにハウス内の温度を調節できるため、それぞれの品種の適温に合わせた栽培も可能です。

霜や雪による傷みを避けられる

ハウス内で栽培することで、レモンを霜や雪から守ることができます。

寒害や凍害からレモンの実の傷みを減らせるため、1、2月の厳冬期でも収穫が可能です。そのため、露地栽培に比べてレモンの収穫時期を長く設定できます。

また、風雨にあたる心配もないので、レモンの木へのダメージの軽減にもつながります。

天候によるブレを抑えて病害虫のリスクも減らせる

ハウス栽培では、外気をある程度遮断できるので、温度や水分量などを調整できます。

また、外気を遮断しているので、ハウス内へ害虫が侵入することも少なくなり、雨や風といった病気を誘発する外的要因も防げるため、病気になるリスクも減らせます。

注意すべき害虫についてはこちらをご覧ください
「レモン栽培で発生する害虫について知りたい」

ハウス栽培では北海道での栽培実績もある

レモンの栽培は温暖な地域に多いですが、寒冷地である北海道でもレモンの栽培実績があります。

北海道浦臼町の神内ファーム二十一株式会社では、ノーワックスで皮まで安心安全な北海道産レモンを生産しています。

このように、寒冷地では栽培が難しいとされているレモンでも、ハウス栽培をすることでレモンの栽培が可能です。

しかし、雪深い地域でのハウス栽培は、雪対策が不可欠です。施設が雪で押しつぶされないように、ハウスの強度を確保して除雪がおこなえるようにしなければなりません。

また、ハウスの屋根に雪が積もらないように高い温度設定も必要となり、コストもかかってきます。

そのため、寒冷地でのレモン栽培は可能ですが、ハウスや栽培にかかるコストは高くなるので、販売方法を工夫する必要があります。

寒冷地でもハウス栽培をすることでレモンは育てられる

レモンは寒さに弱い特徴がありますが、寒冷地でもハウスで栽培すればレモンを育てられます。

ハウスで栽培することで、防寒対策ができたり、霜や雪による傷みを回避させることも可能です。

寒冷地でのレモン栽培に関する知識を深めて、新たにレモン栽培を検討してみてはいかがでしょうか。