レモンの施設栽培における日当たりはどう管理すべき？

YUIME Japan編集部 / 2023.10.26

分析・管理

#レモン #果樹、果実的野菜 #観光農園

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レモンの施設栽培に挑戦してみたいのですが、知人のレモン農家さんから、日当たりの管理が大切だというアドバイスをもらいました。

しかし、日当たりが大切だというのは、時間のことなのか、日光が当たる位置や面積のことなのか、何を重視したらいいのかがわかりません。

知人のレモン農家さんに聞いてみても、「まずはやってみろ」と返答があるだけなので、どうしたらいいのか悩んでいます。

日当たりの何に気をつけて、どのように対策したらいいのかを教えてください。

前田隆昭

南九州大学　環境園芸学部　環境園芸学科　教授

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レモンの施設栽培では、「葉焼け」に注意しながら最低6〜8時間日に当てましょう

レモン栽培の日当たり

レモンは温暖で水はけが良い土地や海岸地帯が栽培適地とされています。なぜなら、レモンは、降水量が少なく日当たりの良い環境を好む特徴があるからです。

レモンは1年を通して毎日6〜8時間以上の日照時間があり、冬の最低気温がマイナス3～4度にまで下がらない地域であれば、露地栽培が可能です。

日本で栽培可能な地域についてはこちらをご覧ください
「レモン栽培に適した気候について知りたいです」

レモンをはじめとする多くの柑橘類は、1日あたり約8時間の日照時間が必要になります。他の植物などに日当たりを遮られるような場所では栽培しないよう注意しましょう。

さらに、レモンの日当たりを良くするためには「剪定」も重要です。枝葉が重なったり混み合った樹では、日光が樹の内部まで届かず風通しも悪くなり、病害虫が発生したり、上手く育たなかったりします。

上手く育たず、枯れやすくなってしまうため、3～4月を目安に剪定を行いましょう。

剪定時期や剪定方法についてはこちらをご覧ください
「レモン栽培での剪定について教えてほしい」

施設栽培では資材を活用する

レモンは長期的な日照不足が続くと、落花や落果を引き起こし収穫量の現象に繋がります。

しかし、一般的に栽培中にレモンの苗を移動することはできません。日当たりが不十分な環境でレモンを栽培したい場合は、施設栽培を行い、電球やランプなどで補光をして、光を確保しましょう。

一方、日当たりが強すぎる可能性がある時期には「遮光シート」を活用しましょう。強い直射日光を遮断し、ハウス内のレモンの葉や果実の日焼けを防ぎます。

適切な温度や湿度を保つことで、水やりの作業コストを削減し害虫の付着も予防することができます。

中でも白色の遮光シートは「可視光線」と「赤外線」を反射するため、黒色に比べて温度上昇を防止する効果が高いです。

白色の遮光シートは、遮光性が低いことが懸念点ですが、日当たりを好むレモンにとっては最適な環境を作り出すのに最適です（ただし、様々な遮光率のシートがありますので、用途によって使い分けて下さい）。

直射日光による「葉焼け」に注意！

レモンは日当たりを好む特徴がありますが「葉焼け」に注意する必要があります。葉の温度が急激に上昇すると、葉の組織が壊れてしまいます。

葉焼けを起こしてしまった部分は元に戻らず、最悪の場合、株そのものが枯れてしまう可能性もあります。

特にレモンの幼木は組織が全体的に柔らかくて弱いため、葉焼けしやすい特徴があります。

強い光に長時間当て続けることで枯死してしまうリスクも高まるので、長時間直射日光に晒さないように注意しましょう。

レモン栽培は日当たりに注意して行いましょう

レモンは以下の適した環境であれば比較的栽培しやすい果樹です。

・1年を通して毎日6〜8時間以上の日照時間がある
・最低気温が5〜7度以下にならない温暖な地域である
ような環境が望ましいです。

レモンは寒さに弱い木ですが、きちんと対策することで、寒さの害を受けたとしても再び結実をさせられます。

日当たりや環境に注意しながら、レモン栽培を行っていきましょう。

レモンの一般的な栽培方法についてはこちらをご覧ください
「レモンの栽培方法について教えてほしい」

このお悩みの監修者

前田隆昭

南九州大学　環境園芸学部　環境園芸学科　教授

琉球大学農学部を卒業後、和歌山県庁に入庁して農業改良普及所の技師や、果樹試験場の研究員などを歴任し、2009年退職。同年、農業生産法人「有限会社神内ファーム21」に入社し、南方系果樹の研究を経て、2015年から南九州大学環境園芸部果樹園芸学研究室の講師に。2021年同大学・短期大学の学長に。2022年5月、学長退任後も教授として引き続き学生を指導する。

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