アボカドの栽培を検討している新規就農者です。
最近は熱帯果樹が道の駅や直売所で売れていると聞き、アボカドの栽培を始めてみようかと考えるようになりました。
マンゴーやパイナップルを育てた経験がありますが、アボカドを栽培したことがなく、どうやってはじめようかと悩んでいます。
とくに悩んでいるのが人員についてで、ほかの作物も育てているため、栽培スケジュールがかぶってしまうと、人手不足になってしまいます。
また、最初の収穫を迎えるまで利益が出てこないので、あまりに長いと経営的にも厳しくなってしまいます。
そこで、アボカドの栽培期間についてどれくらいかかるのか、教えてほしいです。
橋本純子
株式会社アンファーム 栽培担当
アボカドは3〜5年で収穫できる接ぎ木苗からの栽培がおすすめ!
収獲ができるまでの期間
アボカドを接ぎ木苗から育てた場合には、品種によっては3~5年ほどで収獲が可能になります。
アボカドを種から育てた場合(実生苗)では、着果するまでに10年ほどかかると言われています。
また実生苗では、種の個体差があるため、実がつくようになるまでの年数にばらつきがあり、栽培スケジュールが組みにくいのが特徴です。
接ぎ木苗の場合、翌春から花がつくこともありますが、2〜3年間は摘らいをして木の成長を優先し樹冠拡大を図るようにしましょう。
※接ぎ木苗を購入する場合は、台木の品種が分かるものをお勧めします。
種と苗から育てた場合の違いについてはこちらをご覧ください
「アボカドを栽培したい。種と苗木どちらから育てるべき?」
管理作業の期間
アボカドの管理作業は主に剪定、摘芯、施肥、灌水があります。
剪定は、春の新芽が展葉した後に混み合った枝を間引くように切ると良いでしょう。
光が当たらない枝や葉は枯れてしまうので、樹幹内部に光が届くようにしてあげましょう。
剪定作業は着果が確認できる7~8月頃におこなう方が良いでしょう。
摘芯は6月頃に行います。花芽の中心から伸びてくる新梢を摘芯することで枝数を増やすことが出来ますし、栄養成長を抑えることで生理落果の防止にもなります。
施肥の期間は、春・夏・秋です。暖かくアボカドが成長している期間に施肥しましょう。
開花が旺盛な場合には多めの施肥をするのがおすすめです。
灌水はアボカドの根や葉の成長に非常に重要な作業になります。
乾燥ストレスを与えると木の成長が止まったり、せっかく着果した実が生理落果をおこします。
土壌の乾燥具合を見ながら適宜、水やりを行ってください。
収獲の期間
アボカドの収穫期間は品種によって異なります。
早生品種には9月頃収穫できる品種もありますし、収穫までの期間が長い品種だと翌春4月頃に収穫するものもあります。
品種によって耐寒性にも差があるため、露地栽培・ハウス栽培を使い分け、経営に合った品種選定をして収獲スケジュールを調整するとよいでしょう。
露地栽培や収穫方法についてはこちらをご覧ください
「アボカド栽培における収穫方法や収穫時期について知りたい」
「アボカドの露地栽培を始めたいので、特徴や注意点を教えてください」
アボカドの栽培期間を理解してアボカド栽培を始めよう
アボカドは、接ぎ木苗から育てると3年ほどで着果・収穫が見込めます。
アボカドの管理作業では、主に間引き剪定、摘芯、施肥、灌水作業があります。
剪定は春~夏、施肥は春・夏・秋におこなうと順調に生育をさせることができます。
乾燥ストレスを与えないよう、適宜水やりをすることもアボカド栽培において、とても重要な作業になります。
アボカドの収穫時期は本州地域で露地栽培できる品種は10~12月になるものが一般的ですが、ハウス栽培も併用すれば年明け以降も収穫できる品種もあります。
自身の経営スタイルに合った品種選定をするのがよいでしょう。
アボカドの栽培方法を学んで、是非アボカド栽培にチャレンジしてみてください!
基本的な栽培方法や着果の年数を短縮する方法はこちらをご覧ください
「アボカドはどのように栽培すればいい?注意点などアドバイスをいただきたいです」
「アボカドを栽培する際、苗木から植え付けると何年で収穫できる?」
このお悩みの監修者
橋本純子
株式会社アンファーム 栽培担当
前職で仕事に役立てるためにAICに通ったことがきっかけで就農を志す。研修先の香 川県三豊市でアンファーム社長、安藤数義氏と出会い2016年株式会社「アンファー ム」に入社。アボカド産地化に日々奮闘中。アボカドの栽培を通じて地域と農業の魅力発信を行っている。