アボカドを栽培する際、苗木から植え付けると何年で収穫できる？

YUIME Japan編集部 / 2024.04.01

生産方法

#果樹作 #アボカド

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サラリーマンをやっていましたが、父親が高齢になったこともあり、農家を継ぐことにしました。

父はみかんを育てていたのですが、代替わりするのを機会に、新しい品目も栽培してみようと考えています。

そこで、一部のみかん畑を改植して、アボカドを育てたいと思っています。

すぐに収穫できるわけではないので、しばらくは経営的に厳しくなることを覚悟していますが、アボカドを収穫できるのは、育て初めてからどれくらいかかるでしょうか？

橋本純子

株式会社アンファーム　栽培担当

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アボカドは苗木を植え付けてから3～5年で収穫できます

着果までに種から栽培すると8～10年、苗木は3〜5年

通常、アボカドを実生栽培（種から発芽した状態で栽培すること）した場合、着果するまでに8～10年はかかるといわれています。

できる限り早く着果させたいのであれば、苗木から育て始めるのがおすすめです。

苗木の場合、着果するのは3～5年と、着果するまでの期間を大幅に短縮できます。

最近は耐寒性や味なども優れた品種の苗木が多く販売されているので、寒い地域であれば耐寒性のある品種を、味を重視する場合には自分好みの味のものを選ぶこともできます。

また、販売される多くの苗木は接ぎ木のため、品質が安定しています。

なお、自分で接ぎ木して苗木を育てる場合には、播種して育った木の株元が鉛筆ほどの太さになったら接木をします。

時期的には１〜2月頃になりますが、この時期には接ぐための穂木も充実してくるため、直ちに接木します。

なお、着果を少しでも早めたい場合、ピーカートン（グアテマラ系、耐寒性はメキシコ系ほど強くない）やハス（西インド諸島系、耐寒性弱い、加温なら栽培可能）という品種を栽培すると、最短で苗木植え付けから1年目で着果します。

種や苗木からの栽培方法に関してはこちらもご覧ください
「アボカドを栽培したい。種と苗木どちらから育てるべき？」
「アボカドの種が割れました。栽培に影響しますか？」

着果の年数を短縮する方法

着果の期間を短縮するためには苗木を植えるのが早道ですが、栽培方法を工夫することで着花を早める方法があります。

一つはアボカドは、根が浅く横に広がりやすい特性があります。

その根域を人工的に制限することで樹の生育を抑え、着花を促す栽培方法です。

根域制限栽培は2つの方法があります。

1つは大鉢に植え付ける方法です。鉢の中で育つため、根の生育が自然に制限され、大木になることもありません。

もう1つは地面に穴を掘って防根シートを埋め込み、根の伸長を抑える方法です。

これらの方法は、加温のハウス内で行うとさらに効果的です。ハウス内は暖かく、植え付け後の樹の初期生育も良いので、着果の開始も早くなります。

さらに、雨の影響を受けないため、受粉が確実で着果数も多くなります。

こうした好条件のハウスで根域制限栽培を行うと、早ければ2年目から着果し、収穫できたという例もあります。