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しいたけの原木栽培に使う木を伐採する時期とポイントは?

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しいたけの原木栽培に使う木を伐採する時期とポイントは?

しいたけの原木栽培をはじめて3年目の農家です。

これまで栽培に使用する原木は、森林組合から購入していましたが、ウッドショックで価格の高騰が続いているため、自家伐採ができないかと考えています。

伐採作業は近くの友人に助けてもらうことができますが、いつ原木にする木を伐採するべきなのでしょうか?

また、木を伐採した後にやるべきことはあるのでしょうか?

大賀祥治

九州大学 名誉教授、中国吉林農業大学 教授

伐採は原木に栄養がある休眠期間に行いましょう

しいたけ原木栽培はコナラやクヌギなどを使用する


しいたけ原木栽培の植菌(種菌を植え付けること。接種ともいう)に適した木は、コナラやクヌギなどのナラ類やカシ類があります。

ほかにも、アベマキ、ミズナラ、カシワ、シイ類やシデ類で栽培が可能です。

原木栽培に適している木についてはこちらをご覧ください
しいたけの原木栽培にはどんな種類の木が適しているの?
しいたけの原木栽培で必要な原木の太さは?
原木しいたけ栽培で必要な原木の長さはどれくらい?


原木の調達において大切なことは、「適切な伐採時期を選ぶこと」と、その後の「葉枯らし」という水抜き作業です。


しいたけ原木栽培の年間スケジュール


原木しいたけの栽培では、10月から1月ごろまでに原木伐採を行います。

伐採すべき時期は樹種によって異なり、場所や気候にも左右されます。

伐採の後1~2カ月間は葉枯らし(葉を付けたまま放置して、葉の蒸散作用で原木の水分を抜き、枯死させる自然乾燥)をします。

続いて、玉切り(栽培目的に合わせて切断、通常は1〜1.2メートル)を行いながら、植菌と仮伏せを行います。

種駒(たねごま/菌糸を木片に純粋培養した種菌)の頭が白く発菌したら、本伏せに進みます。

この時期には、木口面に白いしいたけ菌糸が露出してきます。

本伏せの作業時期の目安は、梅雨入り前までです。

そして、翌年の秋口までは、本伏せ期間として適宜管理をします。

適期を迎えたら、ほだ場でほだ起こし(発生・収穫しやすいように伏せていたほだ木を立てること)を行い、収穫します。

しいたけの原木栽培の方法についてはこちらをご覧ください
しいたけの原木栽培について育て方を教えてください



栽培に合わせた原木伐採の時期




伐採は原木の休眠期間に行います。

コナラやクヌギなどの落葉樹なら10月~11月の黄葉初期。木が養分を多く含んでいる期間です。

木は葉で養分を作り、幹や枝に貯蔵し、発芽に備えます。

そのため、落葉樹が黄や赤に色づく時期は貯蔵養分が多い時期になります。

シイ類・カシ類などの常緑広葉樹は、樹皮がもっとも剥がれにくい1月、2月の厳冬期に伐採するのが目安です。


葉枯らしの方法


原木を伐採した後に葉枯らしをすることで、原木の水分を抜いて乾燥させます。

葉枯らしは原木の樹種や樹齢なども考慮しますが、落葉樹であれば30日~90日程度、常緑樹であれば2週間以上の期間が必要になります。

乾燥が不十分だと菌糸の成長が抑制されますし、過乾燥の状態だと活着や生育に影響します。

原木の重量を目安に、伐採直後から5~10%軽くなっていることが理想的です。

こうして十分に乾燥させた原木を使い、しいたけを栽培行います。

同じほだ木で収穫ができる回数についてはこちらをご覧ください
しいたけの原木栽培では1本のほだ木で何回収穫できますか?

このお悩みの監修者

大賀祥治

九州大学 名誉教授、中国吉林農業大学 教授

農学博士。専門は、きのこ学、森林資源学。とくに食用・薬用キノコの生理特性や生産技術、森林の木材腐朽菌および菌根菌を研究し、九州大学発ベンチャー企業「株式会社マッシュピア」「ヒマラヤンバイオ・ジャパン株式会社」の各々会長、代表も務めている。

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