menu
Pull to refresh

しいたけ栽培の原木として、殺菌したコナラ・クヌギの放置木を使うことはできますか?

文字サイズ

拡大 標準

しいたけ栽培の原木として、殺菌したコナラ・クヌギの放置木を使うことはできますか?

長年放置していたコナラやクヌギが生える雑木林を整備中です。

できれば整備した後の林の中で、しいたけの原木栽培を始めたいと考えています。

林の中には、放置していた木(丸太)や、高齢化したり大径木になったりした木がたくさんあり、できればこうした木も活用したいです。

マイタケなどの原木栽培では、大径木の丸太を煮沸や蒸気で殺菌してから種菌を植え付けているそうです。

しいたけでも、放置木を殺菌したら栽培用の原木として使うことはできるのでしょうか?
(群馬県・金井勝彦さん/仮名・50代)

大賀祥治

九州大学 名誉教授、中国吉林農業大学 教授

コナラやクヌギの萌芽をしいたけの原木栽培に使うには、環境によりますが、15年以上経てば利用できるようになります

コナラやクヌギは伐採後に、根株(切り株)から自動的に新しい芽が出ます。この「萌芽(ほうが)」の更新によって次世代が育ち、里山としての森林環境が健全な状態で維持され続けます。

コナラやクヌギの萌芽をしいたけの原木栽培に使うには、環境によりますが、15年以上経てば利用できるようになります。

通常は、晩秋の樹木内の栄養分が豊富な時期に伐倒して、切った木はそのままの状態で放置しておきます。

一部に葉がまだ残っている部分から、樹木内部の余計な水分が自然に減じた後に、「玉切り」と言って1.2mのサイズに丸太にしたうえで、種駒を接種してほだ木にします。

この種駒を打ち込んだ原木を森に伏せこみ、その後、湿度の高い場所に移動させて合掌に組む「ほだ起こし」などの作業を経て二夏が経過すると春と秋にしいたけが収穫できます。

ご相談内容の「3年前に切った木」は劣化の程度にもよりますが、特段の殺菌処理の必要はなく、そのまま利用できます。

ただし、新規に作ったほだ木に比べると、しいたけの発生量は見劣りするかもしれません。

高齢化した大径木は、十分に利活用できます。ただし多くの種駒が必要で、ほだ木の容積が大きいため、菌糸体の蔓延に長期間かかるのが難点で、しいたけの発生開始が遅れます。

いったん発生を始めると肉厚の優良形質の物が採れ、普通のほだ木よりも長く、しいたけの発生が期待できます。

ご自身の森林を保有していれば、無理のない範囲で整備して独自性の豊かな理想的な空間が出来上がると思います。

里山は人手が入って適正な森林環境が作られます。広葉樹の雑木林では、しいたけの原木栽培が適しています。

シェア

COMMENT

この記事を誰かに教える /⾃分に送る

お気に⼊りに登録
ツイート
シェア
送る
NOTE

会員登録と⼀緒に公式LINEに登録すると便利です。

業界ニュースやイベント情報などが届きます。

友だち追加

関連するお悩み

しいたけの原木栽培にはどんな種類の木が適しているの?
しいたけの原木栽培に使う木を伐採する時期とポイントは?
しいたけの原木栽培のほだ木を作りたい。組み方を教えて

あなたの悩み
YUIMEで解決しませんか??

農業や漁業に関する悩みや疑問や不安、
悩みごとについておよせください。
いただいた投稿から選考した相談内容について、
編集部や専⾨家がお答えします。

Loading...