しいたけの原木栽培では1本のほだ木で何回収穫できますか？

しいたけの原木栽培では、1本のほだ木で7回ほど収穫ができます

原木しいたけ栽培で収穫ができる回数

しいたけの原木栽培では、植菌したほだ木1本から7回ほど収穫が可能です。

露地で栽培される原木しいたけは、2月中旬～4月初旬と10月下旬～11月頃の2回収穫時期が訪れます。

植菌した翌年の秋に発生が始まり、以後３年間で1シーズン2回の収穫が行われ、トータルで7回ほど収穫ができるといった流れです。

収量の目安

原木しいたけでは、約1ｍのほだ木から1回の収穫で5～10個の椎茸が収穫できます。

ほだ木の状態によっては、それよりも少ないことも多いこともあり、菌糸の蔓延次第で収量も変わってきます。

7回トータルの収量はほだ木の重さ×に対して20%が目安とされており、ほだ木の重さは5～10kgなので、5～10kgの20%＝1～2kgのしいたけが収穫できる計算です。

7回収穫できると仮定すると、0.14～0.28 kgが1回の収穫量となります。

1本のほだ木で収穫できる目安	1～2 kg
1回の収穫量目安	0.14～0.28 kg

ただし、原木しいたけは春に発生する春子と、秋に発生する秋子で見込める収量は異なります。

原木栽培の方法についてはこちらをご覧ください
「しいたけを原木栽培で生産する方法を教えてください」

ほだ木の寿命

しいたけの原木栽培では、最初の収穫を行ったあと雨にさらして、次の収穫時期を待ちます。

時期が来てしいたけが発生したら収穫→発生時期を待つという作業を繰り返します。

原木栽培では最初の収穫から2～4年間しいたけが収穫可能です。

7回収穫できるという回数は目安であり、菌の繁殖状況によっては2～5回の収穫で終わる場合もあります。

収穫回数を増やすコツ

1本のほだ木から収穫できる回数を増やすには、最初の発生前に行う仮伏せや本伏せでの温度や湿度管理が重要です。

伏せこみの種類	目的	適した環境
仮伏せ	しいたけの菌を原木内に蔓延させる	温度が5〜20度、温度25度以下の環境で行う
本伏せ	種駒の乾燥を防ぐための保温、保湿	6乾4湿の、乾燥が若干強い場所で行う。風通しの良い環境で行う

それぞれの作業を適した環境で行わないと、椎茸菌の蔓延が活発化しない可能性があります。

結果、1本のほだ木からのしいたけの収穫量が減ってしまうのです。

2回目以降の収穫から伏せ込み・本伏せを行うことはないので、最初の伏せ込み作業を適した環境で丁寧に行うようにしましょう。

また、年数が経過したほだ木は新しいほだ木に比べると発生しにくくなるので、刺激を与えてしいたけの発生を促すと良いです。

刺激を与える方法についてはこちらをご覧ください
「しいたけの原木栽培では刺激を与えると発生が活性化するって本当？」

しいたけのほだ木は、年数が経つと樹皮が剥がれたり、木の中に空洞ができてスカスカになります。

部分的にしいたけが発生することはありますが、多くの収量が見込めないため、置き場所に限りがある場合はほだ木が使えない状態になる前に処分して、新しいほだ木を用意するのが一般的です。

本伏せについてはこちらをご覧ください
「しいたけの原木栽培での本伏せとはどのような作業かを知りたい」