静岡県伊東市の定置網漁にはどんな特徴がある？

YUIME Japan編集部 / 2024.02.15

漁港

#定置網 #静岡県

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昔から漁師に憧れていて、いまはサラリーマンをしていますが、いつか漁船に乗って海へ出たいと考えています。

地元が静岡なので、漁師についていろいろと情報を集めていると、伊東市で定置網漁の体験ができることを知りました。

ぜひ挑戦して、漁師になるための一歩を踏み出そうかと考えていますが、伊東の漁業についてはよく理解していません。

伊東市の漁業や定置網漁の特徴について知っておきたいです。

石戸谷博範

海と定置網の研究室

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伊東では150種類以上の魚の水揚げがあり、環境に優しい定置網漁などを行っています

伊東市の漁港と漁協

伊東市は静岡県にある伊豆半島の東海岸に位置し、6つの漁港があります。

・宇佐美漁港
・伊東漁港
・川奈漁港
・富戸漁港
・八幡野漁港
・赤沢漁港

古くから漁業を生活の生業としていた地域ですが、昭和24年に各漁港にそれぞれの漁協が設立されました。

その後、平成6年に5つの漁協が合併されて伊東市漁協になり、平成12年にはさらに八幡野漁協が合併されて、伊東市内で一つの漁協になりました。

平成22年には伊東市に隣接する熱海市の網代港漁協と合併して「いとう漁協」と名称を変更し現在に至ります。

主な漁業として、定置網、小型定置網をはじめ、一本釣、刺網、曳網、採貝藻、アジサバ棒受網、まき網など、さまざまな漁業が営まれています。

定置網漁は、宇佐美、川奈、富戸、赤沢の4つの漁港にて行われています。

このうち、川奈定置網と富戸定置網はいとう漁協が自営していましたが、富戸定置網は分離して、株式会社化されています。

伊東市の定置網漁で獲れる魚種

春のサワラ、初夏のアジ、サバ、イサキ、冬のブリなど、伊東市の定置網漁では年間150種以上の魚が水揚げされています。

そもそも定置網漁は、入り組んだ地形などの魚の通り道に、魚を誘いこむように網を仕掛けるいわば待ちの漁法です。

そのため、季節によってさまざまな種類の魚が水揚げされるのが特徴ですが、特に、伊東市は漁場が豊かで、これだけたくさんの魚種が水揚げされるところは国内でも珍しいです。

他にも、イカ、カマス、シイラ、カンパチなども水揚げされています。

定置網で漁獲できる魚についてはこちらをご覧ください
「定置網漁で獲れる魚種を教えてください」

伊東市の定置網の特徴

環境に優しい定置網漁

150年の歴史がある伊東市の定置網漁ですが、環境に優しい漁業にも目を向けています。

富戸の定置網漁は城ヶ崎の急峻な地形を生かして、陸からわずか800mのところに網を設置しています。

出港から数分で漁場に着くので、船の燃料が少なくて済みます。

また、網目の大きさを調節して稚魚などの小さい魚を逃がして魚を獲りすぎないように工夫されていて、海の資源を管理して持続可能な漁業を目指しています。

もともとは、いとう漁協が自営していた富戸定置網でしたが、令和3年8月30日に独立して、城ヶ崎海岸富戸定置網株式会社を設立しました。

網内に魚群探知機を設置

富戸定置網は、網の内部を陸から観察できるように、網内に魚群探知機を設置しているのも特徴です。

網内の魚の量によって、船に積載する氷の量や出荷量を調整出来るようになるので、漁業の効率化につながっています。

新たに水中ドローンを使って網内を水中カメラで確認できる実証実験にも取り組んでいます。

定置網体験

富戸定置網では定置網体験があるので、気軽に定置網漁を体験できるのでおすすめです。

朝5時頃に陸を出発して、数分で定置網のある漁場へ到着し、皆で力を合わせて網を手繰り寄せ、魚をすくって漁槽に下ろします。

獲った魚を持ち帰ることもできるそうで、1時間半ほどで終了となります。

まずは定置網漁を体験し、伊東市の定置網漁師になることを検討してみてはいかがでしょうか。