「技能実習責任者」の役割とは？農業・漁業分野でおさえておきたいポイント

YUIME Japan編集部 / 2023.11.10

働き手

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技能実習生の受け入れを考えている農家です。

これまで家族経営でやってきましたが、両親も高齢になったので、これからは従業員を雇って、農業をやっていこうかと検討しています。

しかし、いきなり正社員を雇うほどの余裕も仕事量もないので、まずは技能実習生を頼りながらやっていきたいと思います。

近所の農家には、技能実習生に手伝ってもらっている農家もいるので、話を聞いてみたところ、技能実習生を受け入れるためには様々な指導を行い、技能実習責任者を立てる必要もあると教えてくれました。

この技能実習責任者とは、どういったものなのでしょうか？誰でもなれるものなのか？詳細を教えていただきたいです。

堀口健治

早稲田大学名誉教授

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「技能実習責任者」は技能実習全体を管理する責任者です

外国人技能実習生を受け入れるには「技能実習責任者」が必要

農業・漁業分野における外国人技能実習生の受け入れ方法には、「企業単独型」と「団体監理型」の2つのパターンがあります。

「企業単独型」とは、日本の企業などが海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施する方法。

「団体監理型」は、非営利団体（事業協同組合や商工会など）が技能実習生を受け入れ、傘下の企業などで技能実習を実施する方法です。

現在、全体の9割以上が「監理団体型」で受け入れを行っています。

外国人技能実習生を受け入れるまでに実習実施者がやらなければならないことは、宿泊先の手配や各種手続き、そして技能実習責任者の設置と技能実習指導員や生活指導員の配置です。

それぞれの役割には要件が定められており、技能実習生が快適な生活を送るために最適な人物を選ぶ必要があります。

技能実習制度の詳細についてはこちらをご覧ください
「技能実習生とは？農業・漁業分野における技能実習制度について詳しく知りたい」

技能実習責任者とは

技能実習責任者とは、技能実習指導員や生活指導員、その他の技能実習に関わる職員の監督や技能実習の進捗などを管理する人のことです。

具体的には、以下の事項を統括管理することが定められています。

1、技能実習計画の作成
2、技能実習生が修得等をした技能等の評価
3、法務大臣及び厚生労働大臣若しくは機構又は監理団体に対する届出、報告、通知その他の手続き
4、帳簿書類の作成・保管、実施状況報告書の作成
5、技能実習生の受入れに関する準備
6、監理団体との連絡調整
7、技能実習生の保護
8、技能実習生の労働条件、産業安全及び労働衛生
9、国及び地方公共団体の関係機関、機構その他関係機関との連絡調整

実際に技能実習生を指導する立場ではありませんが、関係各所との調整や計画の作成を担当し、実習をスムーズに進めるための重要な責任があります。

技能実習指導員や生活指導員との違い

技能実習指導員は技能実習生に対して直接的な指導を行い、生活指導員は実習生の生活全般のサポートやトラブル時の対応といった役割を担っており、それぞれ選定の条件が異なります。

	役割	条件
技能実習指導員	技能実習生に対して直接的な指導	指導する技能を5年以上経験する常勤の役員・職員
生活指導員	実習生の生活全般のサポートやトラブル対応	常勤の役員・職員