本マグロの定置網の現状や各地の取り組みを教えてください

YUIME Japan編集部 / 2024.01.10

漁法・養殖法

#遠洋 #沖合 #定置網 #マグロ

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現在、漁師になるために情報を収集しています。できるだけ大型の魚を取る漁船に乗りたいのですが、本マグロが定置網で漁獲されていると知り、興味を持っています。

マグロ漁といえば、遠洋で漁をするイメージなのですが、定置網でどうやって捕っているのでしょうか？

また、ニュースなどでマグロの漁獲制限の話題を目にしますが、定置網も規制されているのでしょうか？

本マグロの定置網の現状やどのように行われているかなど具体的に知りたいです。

石戸谷博範

海と定置網の研究室

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定置網では主に大型定置網で本マグロを漁獲しています

本マグロの特徴

本マグロはクロマグロとも呼ばれ、日本近海で獲れるマグロ類の中では非常に大きいマグロの一種です。

日本の日本海側・太平洋側ともに本マグロの回遊ルートとなっており、沿岸部では特に小型のマグロが定置網で獲れています。

国内での本マグロの漁獲量は、長崎県や青森県が上位となっています。

定置網での本マグロの漁獲方法

定置網の構造

定置網は、本マグロの回遊しているところへ網を張り、網へ沿って泳いでいるうちに箱網と呼ばれる袋状の網へ誘導し閉じ込める仕組みになっています。

マグロを狙った定置網では、水深27m以上の海域に設置された大型定置網を用いることが多いです。

定置網の規模が大きく漁獲量も多いため、水揚げ作業時には漁船に設置されたクレーンで魚をすくうタモを動かしたりします。

また、本マグロの定置網漁では、鮮度を保つために船上で本マグロの血抜きや神経抜きをする場合もあります。

定置網の構造についてはこちらをご覧ください
「定置網とは？どういう仕組みや構造で魚を漁獲しているのでしょうか？」
「定置網の身網の役割を教えてください」
「定置網の箱網の役割が知りたい！」
「定置網漁で使用する網の運動場の役割が知りたい」

本マグロ漁獲の課題

本マグロの資源減少から漁獲制限がかかっている

本マグロの親魚資源量は1960年代と比べると半減しており、現在は本マグロの資源回復のため各都道府県に本マグロの漁獲量の上限が定められています。

この取り決めによって問題となっているのが、定置網漁で意図せず本マグロが獲れすぎてしまい、漁獲枠が減ってしまうことです。

本マグロの漁獲量が上限に達してしまうと定置網漁の操業が制限されてしまうこともあるため、他の魚の漁獲量が減ってしまうという懸念がされています。

本マグロ漁獲制限に対する各地域の定置網の取り組み

本マグロの漁獲枠を減らさないように、各地域の定置網漁ではさまざまな取り組みが行われています。

京都府では、箱網内に大目合の分離網を設置して、本マグロとイワシなどの魚を分けて漁獲する取り組みをしています。

また、年間を通して2キログラム以下のものは全て放流したり、網起こしの回数を1日1回に減らしたりして工夫している地域もあります。

マグロの漁獲制限についてはこちらをご覧ください
「漁獲制限があると聞いたけど、マグロの定置網はどう行われている？」

本マグロの定置網の現状を知り定置網漁を始めよう

本マグロの定置網では、本マグロが日本の周囲を回遊する習性を狙って定置網漁が行われています。

主に、水深27メートル以上のところへ設置する大型定置網を用いることが多く、網揚げの際はクレーンで動くタモを使用するなど漁船の規模も比較的大きいです。

しかし、近年は本マグロの資源量が減少していることから、各都道府県ごとに漁獲枠が定められるようになりました。

定置網は意図せず本マグロを漁獲してしまうことがあるため、各地域では網に工夫をしたり小型のマグロを放流するなどの取り組みが行われています。

本マグロの定置網の現状について理解を深め、新しく本マグロの定置網漁への乗船を検討してみてはいかがでしょうか。