特定技能外国人の副業は問題ない？受け入れ機関が注意すべき点は？

YUIME Japan編集部 / 2024.02.21

働き手

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特定技能外国人を受け入れている農家です。現在、数名の外国人に農作業を手伝ってもらっています。

うちの農場では端境期など、農作業がなくなる時期が1年のうちに数回あり、この時期は特定技能の子たちも暇を持て余してしまいます。

そんな時、特定技能の子たちから「暇なので副業をしたい」と相談されたのですが、可能なのでしょうか？

堀口健治

早稲田大学名誉教授

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特定技能外国人の副業は絶対にNGです

特定技能外国人の副業に関して

在留資格「特定技能」は、原則として週5日、30時間以上の正社員・フルタイムでの直接雇用となります。

そのため、本業とは別に副業やアルバイトを行うことは禁止されています。

受け入れ機関が注意する点

昨今は新型コロナウイルスなどの影響で雇い止めや自宅待機になるなど、副業をしたいと考える特定技能外国人もいるでしょう。

しかし、特定技能外国人が副業をして万が一発覚してしまえば、資格はく奪・強制帰国となってしまう可能性があります。

そうならないためにも、受け入れ機関は以下のようなポイントに注意しておきましょう。

就業規則に明記し、説明しておく

副業に関しては特定技能外国人が「事情を知らずにやってしまった」というケースも考えられます。

そのため、副業禁止の旨を就業規則に明記し、従事前に特定技能外国人にもしっかり説明しましょう。

雇用契約や労働条件についてはこちらをご覧ください
「特定技能制度の雇用契約と労働条件とは？」

ボランティアの場合

ボランティアは本業以外の活動にあたりますが、無報酬のため参加しても問題ありません。申請なども不要です。

また、以下のような場合においては臨時的な報酬を受けることができます。

＜例＞
・講演活動
・テレビ番組への参加
・親族や知人の依頼で行う手伝い

これらはあくまで「臨時的な報酬」に該当しますので、常習化すれば副業と見なされる可能性があります。

在留カードの確認

国内において偽造された在留カードが流出していますので、受け入れ機関は特定技能外国人を雇用する際必ず「在留カード」が本物か、偽造されたものでないかを確認する必要があります。

確認のポイントは以下の5点です。

＜在留カードの真偽を確認するポイント＞
・カードを傾けると「MOJ」の背景色がグリーンからピンクに変化するか
・見る角度を90度変えると、顔写真下にある銀色のホログラム文字の白黒が反転するか
・カードを傾けると、顔写真の上に「MOJ」のホログラムが動いているか
・カードを傾けると、左端がグリーンからピンクに変化するか
・暗い場所でカードの表面に強い光を当てると「MOJ」の透かし文字が入っているか

あるいは、出入国在留管理庁から「在留カード等読取アプリケーション」が無料配布されていますので、活用することをおすすめします。

参考：出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション」の無料配布について

偽造カードで特定技能外国人を雇用した場合、受け入れ機関は「不法就労助長罪」で3年以下の懲役または300万円以下の罰金を科せられます。

特定技能1号の指定書で確認すべきことはこちらをご覧ください
「特定技能1号の指定書とは？雇用時にチェックすべきポイント」

特定技能外国人の副業が発覚したときの受け入れ機関に対する罰則

特定技能外国人の副業が発覚した場合、「不法就労」や「資格外活動罪」に問われることになり、場合によっては「強制送還」の可能性があります。

強制送還となれば5年間日本への再入国が許されないため、外国人本人が働く機会を失ってしまうだけでなく、受け入れ機関にとっても労働力の損失となります。

また万が一、受け入れ機関側が副業を黙認していたとみなされた場合は「不法就労助長罪」に問われ、5年間は特定技能外国人の受け入れが不可になる他、3年以下の懲役または300万円以下の罰金を支払うことになります。

受け入れ機関は特定技能外国人とコミュニケーションをとって副業防止に務めることが必要です。