menu
Pull to refresh

ほうれん草が発芽しないのはなぜ?上手に発芽させる管理方法は?

文字サイズ

拡大 標準

ほうれん草が発芽しないのはなぜ?上手に発芽させる管理方法は?

昨年秋に初めて実験的にほうれん草栽培を始めました。

しかし、発芽しない種が多くなり、目標の収穫数に至りませんでした。

発芽しないときに考えられる要因は何でしょうか?

今年は成功させたいので、ほうれん草をうまく発芽させる方法をアドバイスいただきたいです。

渡會那央

わたらい農場 代表

ほうれん草の発芽は品種選びと種まき後の水分管理が重要

ほうれん草が発芽しないときに考えられること


ほうれん草は生育スピードが早く、発芽さえすればそれ以降は育てやすいタイプの作物です。

しかし初めての栽培で、発芽に失敗してしまう農家も少なくありません。

まずは上手く発芽しなかった場合に考えられる原因を、以下に5つ紹介しましょう。

1、種まき後の水やりが足りなかった


ほうれん草の殻は非常に硬く、芽がそれを突き破るには、殻が十分湿っていることが大切です。

種まき後は土が乾かない程度に、畑にしっかり水やりをしなければなりません。

土の水やりが不足してしまうと、種の硬い殻がなかなか柔らかくならないのです。


2、種を深くまきすぎた


物理的に種をまく場所が深すぎた場合も、土の上に芽が伸びるのに時間がかかる原因となります。

発芽時期が遅れたり、個体によってバラバラになったりしてしまうと、効率的に栽培できません。

スピーディーに生育するほうれん草にとって、発芽時期の遅れはそのまま収量低下に直結します。


3、気温が高すぎた


ほうれん草は低温環境でも育つ特性を持ちますが、逆に暑さには弱い野菜です。

発芽適温は「15~20℃」です。25℃以上で発芽率は低下し、30℃を超える環境ではほぼ栽培できない程度にまで落ち込みます。

気候変動の影響で、近年はほうれん草の種まき適期である秋や春先にも、気温が高い日が続くことがあります。

種まき予定の時期の天気予報をこまめにチェックして、暖かすぎるようであれば延期するなど、臨機応変に判断しましょう。

発芽の温度管理についてはこちらをご覧ください
ほうれん草栽培の温度管理について教えて。特に注意が必要なポイントは?
ほうれん草を上手く発芽させるための温度条件とは?



4、種が休眠状態だった


また暑い時期に、種自体が休眠状態に入ってしまうのもほうれん草の特徴です。

休眠状態のままでは、芽が厚い殻を破ることができません。

どんどん気温の上がる時期に栽培する春・夏まきの品種では、「芽出し」の処理をすることで発芽しやすくなるものがあります。

具体的な方法はこちらをご覧ください
ほうれん草栽培の発芽のポイントは?芽出し処理についても教えて



5、畑の土の酸性度(ph)が高すぎた


さらにほうれん草は、酸性の土壌では育たないことにも注意が必要です。

栽培に適した土壌ph(土壌が酸性かアルカリ性かを表す数値基準)は「ph6.0〜7.0」程度(=中性)です。

「ph5.5」以下の酸性土壌は、ほうれん草の発芽に支障を来します。もし仮に発芽はできたとしても、途中で極端に生育が鈍るなどの現象が見られることもあります。

ph調整の注意点についてはこちらをご覧ください
ほうれん草を栽培する土壌phの適正範囲は?



発芽率を上げる種まき方法とその後の管理ポイント


発芽率を上げる種まき方法と、その後の管理ポイントを説明します。

深さと間隔はできるだけ均一に


ほうれん草の上作のコツは、発芽を揃えることです。

畑全体の株をできるだけ画一的に管理し、収穫時期に一定の品質や収量を保てるように目指しましょう。

したがって種まきの段階から、まく場所や深さを均一にしておく必要があります。

「まき溝」は1cm、種の間は1〜2cmが基準です。

まいた後に土を寄せて鎮圧する際も、偏りがないよう、均等な厚さに仕上げましょう。

ほうれん草の種まきのコツや注意点はこちらの記事もチェックしてみてください。


発芽までは土を乾燥させない


芽が硬い殻を破って土の上に顔を出すまで、土が乾かないようにしなければなりません。

種まきの10日ほど前から、土壌に水分を与えて土を湿らせておくのも有効です。

また雨上がりの翌日に種まきをする農家もあります。

まいた後は土壌水分計などでこまめにチェックし、十分に水やりを行いましょう。

ただし発芽後は一転し、乾燥気味に育てます。

生育段階ごとの水分管理についてはこちらをご覧ください
ほうれん草の栽培で行う水やりのポイントは?

基本的な栽培方法や栽培特性についてはこちらをご覧ください
ほうれん草の栽培の大まかな流れと、うまく育てるコツや注意点を教えてください

このお悩みの監修者

渡會那央

わたらい農場 代表

長野県八ヶ岳のふもと標高1100mの高冷地 小海町で農業に携わり11年。3月〜11月まで、主にほうれん草を栽培・出荷し、そのかたわら花豆の栽培・出荷も行っています。 『人づくり、土づくり、ものづくり 耕福農業』を理念に、人が育つ環境づくり、野菜が育つ環境づくり=土づくり・堆肥づくりに注力し、エコファーマーの認証も取得し、安全安心でまごころ込めた野菜づくりを行っています。

シェア

COMMENT

この記事を誰かに教える /⾃分に送る

お気に⼊りに登録
ツイート
シェア
送る
NOTE

会員登録と⼀緒に公式LINEに登録すると便利です。

業界ニュースやイベント情報などが届きます。

友だち追加

関連するお悩み

ほうれん草を栽培したい!露地で育てるにはどうすればいい?ポイントは?
ほうれん草栽培の土はどう作る?土壌調整で気をつける点を教えて
ほうれん草栽培で、繰り返し収穫するためのコツや注意点を教えてください

あなたの悩み
YUIMEで解決しませんか??

農業や漁業に関する悩みや疑問や不安、
悩みごとについておよせください。
いただいた投稿から選考した相談内容について、
編集部や専⾨家がお答えします。

Loading...