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舞茸の栽培期間を教えてほしいです

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舞茸の栽培期間を教えてほしいです

これまで高原野菜の栽培をしてきましたが、新たにきのこの生産を始めようかと考えています。

近くに使っていない土地があるので、そこに設備を設けて、舞茸の栽培をはじめようと考えていますが、気になるのが、出荷までの期間です。

原木栽培と菌床栽培のどちらにするか悩んでいるのですが、舞茸が発生するまでに、なるべく時間がかからない方法にしたいです。

そこで、舞茸の栽培期間について、詳しく教えてください。

大賀祥治

九州大学 名誉教授、中国吉林農業大学 教授

舞茸は植菌から原木栽培で5か月、菌床栽培で2か月ほどで発生します

舞茸の栽培期間


舞茸は以下2種類の栽培方法があり、それぞれ栽培期間が異なります。

・菌床栽培
・原木栽培


原木栽培と菌床栽培それぞれの栽培期間を中心に解説します。

栽培方法の選び方は、こちらを参考にしてください
舞茸を菌床栽培する際のメリット・デメリットを知りたい
舞茸栽培の原木栽培と菌床栽培それぞれ収穫までの時期や栽培スケジュールは?



原木栽培の場合


原木栽培では、種菌を接種してから3月下旬から7~8月中旬くらいまで培養します。

地域によって気温の差があるので、具体的な時期は若干の違いがありますが、培養の期間は4~5か月ほどです。

梅雨明け後に埋め込み作業を始め、1~2か月ほど経過した9月中旬ごろに発生が確認できます。

・培養...約4~5か月
・埋め込みから発生まで...約1~2か月
・培養から発生までの期間は、5~7か月



原木栽培の場合は、接種の前にほだ木の伐採や管理が必要となるので、ほだ木管理を含めると8か月ほどの栽培期間を要することになります。

舞茸栽培のほだ木についてはこちらをご覧ください
舞茸栽培に必要なほだ木となる原木の種類や管理方法を教えてほしい



菌床栽培の場合


菌床栽培は自然の温度で育てる原木栽培とは異なり、空調で温度調整をして栽培をします。

外気の温度に左右されず自由に調整できることから、栽培期間は短めです。

菌床を作っておけば、清潔な部屋で一晩殺菌をしたのちに種菌を接種して培養します。

接種から発生までの期間は、60〜70日ほどが目安です。

・培養...約50日
・培養終了から発生まで...約2週間



発生から収穫までの目安


発生から収穫までは、原木栽培・菌床栽培のどちらも約2週間が目安です。

しかし、生育状況は栽培環境それぞれで差があります。

2週間以内に大きく育っている場合や、2週間を経過しても小さいままの場合もあります。

よって菌傘の大きさを収穫の目安にても良いでしょう。

また、傘の大きさだけではなく、開き具合に注意して、舞茸の裏側にある小さな穴(管孔)から傘の縁までが2~3mmに広がったら収穫の目安とも言われています。


栽培期間に関する注意点


舞茸栽培では、以下のような生育不良や時期の影響でうまく発生しない可能性があります。

・菌糸蔓延の不良により日が経っても発生しない(原木、菌床共通)
・秋を超えると発生しない(原木栽培のみ)

舞茸栽培では、菌糸が完全に蔓延していない場合に、いつまでたっても発生しないケースがあります。

原木栽培では、翌年以降の発生が期待できるため、ほだ木管理をして翌年に持ち越しますが、菌床の場合はそのまま処分することが一般的です。

また、原木栽培では秋以外に舞茸が発生することはありません。

舞茸の栽培方法についてはこちらをご覧ください
舞茸の栽培方法が知りたい。手順やスケジュールについて教えて

このお悩みの監修者

大賀祥治

九州大学 名誉教授、中国吉林農業大学 教授

農学博士。専門は、きのこ学、森林資源学。とくに食用・薬用キノコの生理特性や生産技術、森林の木材腐朽菌および菌根菌を研究し、九州大学発ベンチャー企業「株式会社マッシュピア」「ヒマラヤンバイオ・ジャパン株式会社」の各々会長、代表も務めている。

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