養殖のサバでブランド化したい！各地域の養殖サバの特徴は？

YUIME Japan編集部 / 2023.06.27

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#サバ #養殖 #マーケティング

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定置網漁船に乗っている漁師です。最近、うちの漁港でサバ養殖をやってブランド化しようかという話が出ています。

日本各地で養殖したサバをブランド化して、販売しているようなのですが、私も定置網でサバを獲っているので、何かいいアイデアはないかと尋ねられました。

養殖に関しては素人ですが、サバに関しては長年関わってきたので、何か力になりたいと考えています。

そこで、各地ではどのようにして養殖したサバのブランド化を行っているのか、事例を教えてください。

中平博史

全国海水養魚協会専務理事

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養殖サバは餌や養殖方法を工夫することで、ブランド化しています

養殖サバのブランド化の事例

お嬢サバ

お嬢サバは、JR西日本がプロデュースし、鳥取県岩美町で養殖されているブランドサバです。JR西日本と鳥取県が共同研究し、2017年6月から養殖を開始しました。

完全養殖で育てた稚魚を、地下海水を使い陸上養殖で育てているため、アニサキスなどの寄生虫やウイルスがつきにくいという特徴があります。

そのため、白子や真子などの部位も生食で食べることができます。

大切に育てたという意味合いから、「箱入り娘」を連想させる「お嬢サバ」と名付けられました。

小浜よっぱらいサバ

小浜よっぱらいサバは、福井県小浜市で養殖されているサバです。小浜の鯖を復活させるために、産学官が連携して2016年6月に養殖を開始しました。

特徴は、餌に生餌は使わず、酒粕を配合した鯖専用配合飼料を与えている点です。酒粕に含まれるアミノ酸がサバに旨みと甘さ、爽やかな酸味を与え、独特の香りを持ったサバになります。

鯖街道（小浜と京都を結ぶ街道）で結ばれている京都の酒粕を使うというアイデアから、漁業者が福井県立大学や福井県水産試験場と共同で研究を行い、その結果、健康の証である高い血中コレステロールを下げる効果が認められました。

唐津Qサバ

唐津市と九州大学の共同研究により誕生した唐津Qサバは、天然の親サバから卵を取り出して大人のサバになるまで育て、そのサバの卵を人工ふ化させた稚魚を用いる完全養殖により育てられたマサバで、イカで有名な唐津市の第二の水産資源ブランドとして生まれました。

孵化してから出荷されるまで、管理された餌を与えて育てるため、アニサキスが寄生する危険性を最小限に抑えています。

2014年に出荷がはじまりましたが、養殖しているマサバの中でも、400g以上のものだけを唐津Qサバとして出荷しています。

ネーミングは、共同研究に携わった九州大学の「九」と、Quality（品質）やQuestion(疑問)の「Ｑ」を組み合わせた名前が付けられました。

サバ養殖でのアニサキス寄生対策についてはこちらをご覧ください
「養殖しているサバがアニサキスに寄生される可能性はありますか？」

長崎ハーブ鯖

長崎ハーブ鯖は、全国の養殖サバとの差別化を図るため「長崎さば生産グループ」が共同開発し、4種類のハーブ（ナツメグ、オレガノ、シナモン、ジンジャー）を与えて育てられた養殖サバです。

人が食しても効能があるハーブを与えることで、血合いがきれいで、生臭さがなく、栄養価が高いサバに育てています。

サバは青臭さが残りやすいため、刺身として提供されることはあまりありませんが、長崎ハーブ鯖は、刺身としても提供されています。

さらに、日持ちも良くなるため、旬である冬以外にも出荷が可能となり、年中サバを楽しむことが可能です。

ブランド化は地域や人との連携が重要

サバの養殖でブランド化を行うには、地域の漁業者だけでなく、民間企業や研究機関との連携が必要になります。

なぜなら、ブランド化には時間がかかり、資金や人手、専門的な知識も必要となるからです。

同じ志を持ち、共に行動してくれる人たちと協力しながら、サバのブランド化に取り組んでいくことをおすすめします。

養殖サバと天然サバの違いについてはこちらをご覧ください
「養殖サバと天然サバの違いは？漁業者としての違いを教えてほしい」