人手不足が深刻で、家族総出で農業をしている状態です。
小規模なので正社員を雇うほどのお金はなく、これまで何度か日本人のアルバイトを募集してきましたが、最近では応募してくれる人も少なくなりました。
うちの集落では技能実習生を受け入れている農家が数件あり、うちでも受け入れをしようかと検討しています。
技能実習制度を調べはじめた段階ですが、「第1号技能実習」だと1年しか滞在できないことを知って、それでは戦力にならないなと悩んでいます。
しかし、すでに技能実習生を受け入れている農家さんに相談したところ、「第2・3号技能実習」であれば複数年受け入れられることを知りました。
でも、「第2・3号技能実習」に移行するには、対象職種(作業内容)の審査基準があるそうです。
そこで、1号技能実習から2・3号技能実習に移行できる職種や、審査基準について詳しく教えてください。
堀口健治
早稲田大学名誉教授
技能実習2号へ移行対象となる作業内容は厚労省サイトの審査基準で確認を
技能実習生の移行対象職種とは
技能実習生の「移行対象職種」とは、技能実習生が「第1号技能実習(1年以内の在留)」から「第2・3号技能実習(1年以上、最大5年の在留)」への移行を許可されている職務のことを指します。
技能実習生を3年間受け入れる(第2号技能実習)場合は、87職種159作業(令和5年3月31日時点)に限定されています。
実習実施企業が優良基準適合者に該当する場合には、通算5年間の受け入れ(第3号技能実習)が可能となります。
なお受け入れ監理団体に依頼する場合、農業ではこれ等の中のひとつの職種・作業を指定することになり、途中で変更はできません。
例えば、耕種農業・施設園芸を選択すれば、これが3年間、さらに3号も同じものになります。
技能実習3号についてはこちらをご覧ください
「技能実習3号とはどのような区分ですか?条件やメリットは?」
技能実習2号対象職種
技能実習制度で3年間の受け入れが可能となる「技能実習第2号移行対象職種」は87職種159作業(令和5年3月31日時点)となっています。
農業・漁業分野においては以下の通りです。
農業関係(2職種6作業)
職種名
作業名
耕種農業
・施設園芸
・畑作、野菜
・果樹
畜産農業
・養豚
・養鶏
・酪農
漁業関係(2職種10作業)
職種名
作業名
漁船漁業
・かつお一本釣り漁業
・延縄漁業
・いか釣り漁業
・まき網漁業
・ひき網漁業
・刺し網漁業
・定置網漁業
・かに・えびかご漁業
・棒受網漁業△
養殖業
ほたてがい・まがき養殖
※△のない職種・作業は3号まで実習可能
実施する作業内容の審査基準
技能実習生としての受け入れ可否の判断基準となるのは、作業内容です。
移行対象職種に該当していたとしても、作業内容が厚生労働省の公表する「審査基準」に該当しなければ受け入れはできません。
「審査基準」には職種・作業に関する細かな要件が記されており、監理団体の計画作成指導者から、実習実施者の技能実習責任者、技能実習指導員まで、内容の確認が必要です。
一般的に「審査基準」に記されている「必須作業」が、技能実習生が行う作業の5割以上である必要があります。
技能実習責任者についてはこちらをご覧ください
「「技能実習責任者」の役割とは?農業・漁業分野でおさえておきたいポイント」
審査基準の判定方法
移行対象職種ごとの「審査基準」は、技能実習実施計画書のモデル例や試験基準の資料とともに、厚生労働省のWebサイトに掲載されています。
また、「国際人材協力機構(JITCO)」でも、外国人技能実習制度の総合支援機関として、受入れ・手続き・送り出し・人材育成・実習生保護の5つの支援事業を行っています。
自社で実施させたい業務が移行対象職種に該当するか確認することができます。
このお悩みの監修者
堀口健治
早稲田大学名誉教授
専門は経済学(農業経済学・農業政策)。2002年から2004年まで日本農業経済学会会長を務め、2015年から2022年まで日本農業経営大学校校長。山形県高畠町の屋代村塾および同県寒河江市の葉山村塾の塾長も務めた。