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技能実習3号とはどのような区分ですか?条件やメリットは?

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技能実習3号とはどのような区分ですか?条件やメリットは?

これまで家族中心で農業をやってきましたが、年齢的にも厳しくなってきたので、人手を増やそうかと考えています。

しかし、正社員で人を雇う余裕はないので、技能実習生を受け入れようかと検討しています。

技能実習生を受け入れている農家に相談したところ、その農家では技能実習1号と2号を受け入れているとのことでした。

違いがよくわからないのですが、技能実習には1〜3号の区分があるそうで、3号まで取得すれば長い期間、働いてくれるそうです。

そのため、技能実習3号の人材を受け入れたいのですが、どのような条件を満たした方なのでしょうか?

また、農家側の技能実習3号を受け入れるメリットについて詳しく知りたいです。

堀口健治

早稲田大学名誉教授

技能実習3号は、2号の修了後に所定の条件を満たすことで取得できる在留資格

技能実習3号とは


技能実習3号とは、技能実習2号の後に決められた条件を満たすことで取得できる在留資格を言います。

技能実習生の在留資格はまず1号からスタートし、その後2号、3号を取得して在留期間を延ばす仕組みです。

技能実習3号を取得するには、具体的に以下の要件を満たす必要があります。
・技能実習2号の修了と試験での合格
・監理団体と実習実施者が優良である
・技能実習3号へ移行できる職種、作業であること
・技能実習2号修了後に一時帰国

技能実習2号の修了と試験での合格


技能実習3号になるには、技能実習2号の修了と試験での合格が必要です。1号からいきなり3号になることはできません。

技能実習2号が修了し、技能実習を評価する実技と学科試験に合格する必要があります。


監理団体と実習実施者が優良になる


技能実習3号になるには、監理団体と実習実施者が優良である必要があります。

監理団体と実習実施者が優良になるための条件は、厚生労働省の「技能実習制度 運用要領」  に具体的な採点方法が記載されています(管理団体P216、実習実施者P105)。


技能実習3号に移行できる職種、作業であること


技能実習生3号は、職種や作業の条件もあります。農業における職種や作業は以下の通りです。

耕種農業

畜産農業

施設園芸

養豚

畑作・野菜

養鶏

果樹

酪農

上記の2職種6作業であれば、技能実習2号と同じ職種作業である技能実習3号への移行が可能となっています。

肉用鶏や肉牛の畜産関係の職種は3号への移行ができません。

移行対象職種についてはこちらをご覧ください
技能実習制度の移行対象職種・作業の審査基準とは?


技能実習2号修了後に一時帰国


技能実習3号になるには、2号修了後で3号開始までに1カ月以上1年未満の一時帰国が必要です。

1カ月以上1年未満であれば、細かい日数の制限はありません。

また、母国への滞在期間に応じて「在留資格変更申請」や在留資格交付申請が必要となります。


技能実習1号、2号との違い


技能実習1号、2号、3号では、在留期間・対応職種・必要条件での違いがあります(2023年5月時点)。


技能実習3号

技能実習2号

技能実習1号

在留期間

2年(在留期間4~5年目)

2年(在留期間2~3年目)

原則1年

職種

77職種135作業(農業2職種6作業)

85職種156作業(農業2職種6作業)

原則制限なし

条件

・技能実習2号の修了と試験での合格
・監理団体と実習実施者が優良である
・技能実習3号で移行できる職種、作業であること
・技能実習2号修了後に一時帰国        

・技能実習1号の実習終了前に技能検定試験の実技・学科試験や相当する試験に合格
・実践的な技能実習計画の提出・出入国在留管理庁の審査

・原則2カ月間の座学        


在留期間は3号を取得することで、最も長く、最長5年間滞在可能です。

また、1号は幅広い職種に対応していますが、技能実習2号と3号は農業分野での対応職種や作業は同一です。

技能実習生の受け入れ可能な職種についてはこちらをご覧ください
技能実習生の受け入れ可能な職種は?農業や漁業ではどんな作業を依頼できる?
技能実習生とは?農業・漁業分野における技能実習制度について詳しく知りたい



技能実習3号を受け入れるメリット


技能実習3号を受け入れることは、まとまった期間従事してもらえるというメリットがあります。

技能実習1号では原則1年、2号ではトータル3年の在留期間となりますが、3号であればトータル最長5年間の在留が可能なため、関係構築や人材を確保する面でも大きなメリットです。

特定技能への移行も可能に


技能実習の2号と3号は、特定技能への移行も可能です。

技能実習2号

・技能実習2号を良好に修了する
・技能実習での職種/作業内容と特定技能1号の職種が一致している

技能実習3号

・実習計画を満了

特定技能は通算で最大5年の在留資格が与えられるため、3号を終了後もさらに長い期間従事してもらうことができます。

特定技能の制度や条件についてはこちらをご覧ください
特定技能制度と技能実習制度の違いを教えてください



技能実習3号の課題


農業分野において、技能実習2号、3号は職種に限りがあるという課題があります。

牛の畜産や肉用鶏も後継者不足や人手不足を抱えている日本ですが、現状では技能実習2号、3号の受け入れはできません。

また、技能実習の場合では監理団体と契約するのが一般的ですが、毎月の監理費用が発生する機関が多いです(相場2~5万円/月ほど)。

在留期間が長いと、その分発生する監理費用もかさむことになります。

技能実習生受け入れに当たる準備事項についてはこちらをご覧ください
技能実習実施者の受け入れ要件にある、指導員について教えて

このお悩みの監修者

堀口健治

早稲田大学名誉教授

専門は経済学(農業経済学・農業政策)。2002年から2004年まで日本農業経済学会会長を務め、2015年から2022年まで日本農業経営大学校校長。山形県高畠町の屋代村塾および同県寒河江市の葉山村塾の塾長も務めた。

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