ハウスの水耕栽培で葉物野菜、ハーブなどをメインに生産しています。コロナ禍の影響で売り上げが落ちてしまったので、打開策を考えています。
まわりに相談すると、ネット販売をやることを勧められます。ネット直販に力を入れている農家は増えましたが、今からサイトを作って新規参入するのはタイミングを逸した気がしています。
そんなとき、大学生の息子から「メタバースが面白いんじゃない?」と言われました。息子の話だと、今や大手百貨店や有名ブランドも独自のバーチャルショップを開設しているようです。
現実では難しくても、ネット上にオシャレな店舗を作って、ハーブを販売できたら面白いと思います。オンラインゲームが好きなので、バーチャルのハーブガーデンを開くなんて、考えただけでワクワクしてきます。
しかし、実際にバーチャルショップを立ち上げるためには、技術が難しそうですし、費用もかなりかかりそうです。
まずはバーチャルスーパーのようなところで小さな売り場を借りることができるなら、そこから始めてみたいです。
どんな形でもかまわないので、ハードルが参入方法を教えてください。
(埼玉県・相馬さん/仮名・50代)
村瀬雄太
ファームコネクト
メタバースの普及には時間がかかりそうです。まずはネット販売に挑戦してみては?
近ごろ、バーチャル空間で商品を売買できるツールなどが増えてきて、「メタバース」「NFT」がバズワードとなっておりますよね。
私の知り合いにも、メタバースの第一人者で、実験的に農作物をNFTで販売している方がおります。
その方の話によると、「初期費用が高い」「メタバースのユーザーが少ない(購入者がいない)」という2点の理由から、一般化はまだまだ先であるとのことです。
もし、ご相談者さんがどうしても試してみたい場合は、無料で始めることができる「メタストア」というサイトがおすすめです。
農作物などの商品をメタバースで販売することが可能です。補助金を使用しながら、お手軽な価格での導入が可能となっております。
…とはいえ、ここからはあくまでも私の個人的な所感ですが、集客の部分でつまずくリスクがあります。
農作物の購入層は、30~60代の女性が多いですが、そういった方々が果たしてメタバースで生鮮品を買い物するのか?と考えると、疑問が残ります。
メタバースについてはいったん様子を見て、もう少し環境が整ってからの参入でも遅くありません。
まずは王道の通信販売(自社ネットショップや産直サイトで販売)に挑戦してみることをおすすめします。