ポインセチアやハイビスカスなどを育てている園芸農園です。これまでは質のいい花を作って販売することだけを考えてきました。
しかし、息子が後を継いでくれることになったので、将来のことを考えるようになりました。
今後はこれまでのように花を栽培するだけではなく、新しい事業展開も考える必要もあると感じています。
コロナ禍で花の需要が増えた部分もあるのですが、将来的には決して花の需要が安泰とはいえません。
そこで息子に苗つくりを指導しつつ、新しい事業として花の苗を販売してみようかと考えています。
しかし、単純にお客様へ「花を育ててみよう!」と宣伝しても、うまくいかないと思います。
うまくアピールするための知恵を貸していただけないでしょうか。
(東京都・遠藤さん/仮名・50代)
龍 慶介
てしまの苗屋/てしま農園
花卉の苗を購入する人を分析し、SNSを活用した宣伝を行いましょう
山口県で野菜や花の苗を販売している「てしまの苗屋」です。
弊社でも、農業生産法人「花の海」の農場で育てた花の苗のキットを販売していることから、アドバイスしてほしいと編集部から依頼を受けました。
消費者へアピールするうえで大切なのは、その花の苗が開花期を迎えた時をイメージできるように、さまざまな生活シーンでの花の見え方をわかりやすく可視化してあげることで、お客さまの気持ちをワクワクさせることです。
いろいろな売り方がありますが、同じ商品でも、自分用なのか贈り物用なのかで見せ方は大きく異なります。
商品を購入する人(マーケティング用語で「ペルソナ」と言います)を分析して、ターゲットにささるように、パッケージを含めた商品を開発していくといいと思います。
花の苗という特性上、購入当初は茎や芽しか出ておらず、見栄えはしないものです。そこで、栽培方法や季節ごとの手入れの仕方をマニュアルなどを添付することでしっかりとサポートしてあげて、花が咲くまでの成功体験に結びつくようケアしてあげることが大切です。
これから始めるのであれば、SNSなどを活用したネット販売がおすすめです。ご相談者さんのお知り合いの家庭に花の苗を提供し、その人たちに協力してもらって、さまざまなご家庭での栽培シーンの画像をSNSに投稿するのも良いと思います。
お客さまが満足してくれれば、毎年のようにリピートしてくれるようになりますし、お店の強いファンになってくれる可能性もあります。
ぜひ、ご自身の個性を生かした販売方法を考えてみてください。