埼玉県で有機野菜を生産しています。とくに芋類、サツマイモに力を入れています。
サツマイモの葉や茎は栄養価が高いといわれているので、自宅では茹でたり炒めたりして食べていますが、ほとんどの葉や茎は残渣として堆肥にしています。
これはこれで、資源の循環としては有効的な活用法ですが、もっと違う利用方法がないかと考えていました。
そして、自分が食べてきたサツマイモの葉や茎を、食品として有効活用しようというふうに思い至りました。
しかし、サツマイモの葉や茎の栄養分や成分もわかりませんし、食品として製品化したいと思っても、何から手をつけていいのかわかりません。
どこに相談するといいのか、方向性だけでもアドバイスいただきたいです。
(埼玉県・伊藤さん/仮名・30代)
山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
サツマイモの茎や葉まで食べられる「すいおう」という品種を開発しました。私に連絡していただいても構いませんし、埼玉県にも加工を相談できる企業があります
サツマイモの葉は栄養や機能性に優れていることから世界中、特に東南アジアやアフリカで重要な野菜として食べられていますね。日本でも沖縄では食べる習慣があります。
ただし、さつまいもの葉はエグミがあるので、エグミの少ない特別な品種を選んで栽培しています。
私が九州沖縄農業研究センター時代に開発した「すいおう」はエグミがないので、茎や葉をサラダとして生食することが可能です。
この品種の茎葉を熱湯でブランチング(加熱処理)し、乾燥粉末化したものも青汁原料として市販されています。
また、これをペースト化してグリーンカレーやスープなどに使うことも可能です。
家庭では、「葉をおひたしや炒め物に使うこと」のほか、「葉柄をツワブキのように茹でて佃煮にする」「キムチの素材にする」など、さまざまな利用法が考えられます。
我が家では生葉を使ったおむすび、肉や魚の巻物などが定番です。いろいろ工夫して下さい。
さて加工についてですが、相談者さんが、どの品種を作っているのかはわかりませんが、これから「すいおう」に挑戦するようであれば、YUIMEを通じて私宛にご連絡をいただいても構いませんし、工場での加工のことならさいたま市の株式会社アイピーオー、家庭料理についてなら、女子栄養大学栄養科学研究所の根岸由紀子教授に相談していただくのはいかがでしょうか?
くきキムチ
投稿者様へ
私も家庭菜園ですが、サツマイモを育てています。
収穫の際に、韓国ではキムチなどに利用されている食材である事から、
その茎をただ捨てるのがもったいないと思い、
食材としての活用を広めたいと思っています。
おそらく、投稿者様もサツマイモを育てながら、
その副産物としてサツマイモの茎の活用を考えていらっしゃると思いますので、
その点から投稿への返信という形で投稿させていただきます。
私は、実際に
サツマイモの茎のキムチを作ってみました。
サツマイモの茎の皮を剥いて、一度軽くゆがいた後、
市販のキムチの素に漬けただけですが、
試食いただいた方々から、高評価を得ることが出来ました。
反面、難点としては、
皮を剥く作業が手間がかかります。
皮を剥かなくても、炒め物や煮物にも調理できます。
ただ少し私は口に皮の違和感を感じました。
※皮付きと皮無しを食べ比べると、よく違いがわかります。
また、
惣菜として販売するには、保健所の許可や調理場を探す必要があるため、
私はそこで今現在立ち往生している状況です。
投稿者様も、同じようにサツマイモの茎を食材として活用したい!
と思われてるようですし、
私は食材として、さつまいもの茎を認知してもらいたい!
という気持ちがあるため、
その点で投稿者様の少しでも役に立てればと思っています。
すこし参考になれば、幸いです。
追伸
すいおうも実際、昨年育ててみました。
確かに癖なく、食べやすいですが、
紅あずまや、紅はるかの茎でも、十分美味しいものが作れました。