大阪で野菜を20アール程の圃場で栽培している農家です。
現在、無人販売所を作って、近所の主婦の人たちに野菜を買ってもらっています。
売れ行きも悪くなかったので、今年の夏から近所の農家と一緒に、無人販売所で野菜を販売することになりました。
近所の農家と一緒に販売すれば、私が作っていない作物も販売できるので、お客さんにとってメリットになるのではないかと思っています。
現在は、売上ボックスを設置して、購入者に料金を入れてもらっていますが、この方法だと誰の野菜がいくらほど売れたかがわかりません。
全員が違う作物を育てていれば、販売所に並べた野菜と売れ残った野菜の差でどれくらい売れたのかはわかりますが、同じ野菜も販売するので、このままでは各自の売上金額がわからないのです。
一人ひとりの売上がわかるようにするには、どうすればいいのでしょうか?
(大阪府・三村さん/仮名・30代)
脇坂真吏
AgriInnovation Design/東神楽大学学長
LINEのグループ機能などを使い、適切な在庫管理や販売実績の確認をしましょう
ご自分の畑では農作物の品種が少ないので、生産者仲間を募ってたくさんの種類を販売するのは素晴らしい考えですね。
お客さまにとっても選択肢が広がって買い物が楽しくなりますし、その結果、お店に来られる頻度も増えると思います。
そうしたなかで課題になるのが「適切な在庫管理」ですね。
前提として「誰が」「いつ」「何を」「何個並べたのか」を把握をしておくことが重要です。
そこをしっかり3人で考えながらやっていくことが大事です。
システムとかそういった類のことを考え始めると面倒だと思いますので、LINEのグループを作り、各々が品目・数量・単価を記載していけば手軽に始められて良いでしょう。
LINEグループの場合、下記のように、無人販売所に陳列した時にUPすれば、日時と名前を書かなくても把握できるので、便利です。
(記載例)
・大玉トマト(3個入り) 300円 5袋
・ナス(2本入り) 200円 5袋
LINEのグループだと、その後データ化する際に手間がかかりますから、googleフォームなどを活用することで集計作業はとても簡単になります。
どちらも無料で使えるので、オススメの方法です。
そのうえで問題になるのは、「販売実績をどう確認するか?」という点です。
一番簡易なのは、上記のような陳列個数を把握していれば、次回の納品時に各々で残数をチェックしていくやり方だと思います。
LINEグループを使う場合は、次のように納品時の記載に加えてあげるとよいでしょう。
(記載例)
<納品数・残数>
・大玉トマト(3個入り) 300円 5袋・8袋
・ナス(2本入り) 200円 5袋・7袋
<販売数>
・大玉トマト(3個入り) 300円 2袋
・ナス(2本入り) 200円 3袋
残念なことに、万引きなどが発生して売上個数と現金が合わない場合があるかと思いますが、それは3人で協議し、万引き分は3人で負担しあって売上から控除するか、万引きされた商品を出荷した農家さんが割を食うかでしっかり議論しておいたほうがいいかと思います。
もし仮に、電源を引っ張ることができて設備投資するための資金を用意できる場合は、冷蔵のロッカー型自動販売機などをいれると、万引き防止、売上確認はしやすくなります。
防犯カメラの設置なども万引き防止に役立ちますので、調べてみてください。