新潟県に住むトマト農家の40代です。トマトを収穫してみると、見た目が悪い、熟し過ぎ、糖度が低いなど、JAが規定する品質に達していない「規格外」のものがあります。
そういったトマトは市場価格で売ることが難しい。そこで、規格外の商品を「わけあり」品として、ネット販売することや、工夫して販売するには、どんな方法があるのでしょうか?
トマトジュースやトマトソース、ドライトマトに加工して販売することも考えましたが、ブランドトマトというわけではないので需要があるかどうか……。また、加工販売したら、手間が増えそうだし、売れ行きも心配です。
これまでにも、友人だけに「わけあり」商品として安く販売してきましたが、もっといい方法がないかと考えています。
例えば、JA以外の規格があるとか、業務用であれば市場価格と同じくらいの金額で販売することができるとか、そういったアドバイスをいただきたいです。
(新潟県・佐藤さん/仮名・40代)
仲野真人
株式会社食農夢創 代表取締役
OEM(委託)業者に加工を依頼したり、セルフブランドとして打ち出すのも有効です
「規格外品」はどうしても出てしまいますよね。「規格外品」を「わけあり」商品として売るには、直売所やスーパー、インターネット販売があります。ただ、それぞれに取り扱い基準やルールがあるので確認してみてください。
また「腐ってしまっていた」「形が崩れている」などのクレームがくることも予想されるので、対応策(マニュアル)を決めておくことも大切です。
加工してジュースやソースにする場合、問題は売れるかどうかです。購入する人から見れば、農家が作っていても、大手企業が作っていても同じ商品なので、品質や価格が問題になります。「生産者が見えるから高くても買う」という人もいますが、ごく一部なのです。
手間についても、今が「生産→収穫→選果→出荷」だとすると、
全部自分で行う場合「生産→収穫→選果→加工→出荷・配達→販売」
という流れになり、間違いなく手間が増えます。
また、2021年6月からHACCP(各作業工程において食中毒菌などが混入するリスクを減らすための衛生管理の手法)が完全義務化となり、HACCPに準じた取り組みをしなければなりません。
そのため、OEM(委託)で製造業者に加工してもらうのがおすすめです。試作品を作り、まずは直売所やスーパーで試験販売をしてみてはいかがでしょうか。依頼するのが少量だとしても、協力してくれる業者もいますよ。予測するのは難しいですが、どれくらい売れるのかは、試験販売の結果を見ながら考えてみてはいかがでしょうか。
また、ブランドトマトではないとおっしゃいますが、今は生産者自身がブランドをつくる時代なので「どうこだわって栽培しているのか」「どう美味しいのか?」を明確にして、打ち出してみてはいかがですか?ネーミングなどを工夫すれば、ブランドとして売り出すのも有効だと思いますよ。