和歌山県で、野菜や切り花などを生産している50代の農家です。
年間を通して、野菜は30種ほど、トマトはビニールハウスで「桃太郎」をメインに作ってきました。
トマトの旬である夏場を外した時期に、これまでやったことのない品種にも挑戦しようと思っています。
しかし、カタログを見ても目移りするばかりです。
買ってくれる人は鮮度や見た目はもちろんのこと、糖度の高いものや栄養成分が高いことなど、付加価値の高いものを求めているのでは?と感じています。
ただし、味や食感が良いものは、皮がやわらかく、形が崩れたり、皮が破れたりしやすいという欠点もあると聞きます。
調整作業や輸送に強く、なおかつ食味がやわらかく味の良い品種はありますか?
5種ぐらい特徴やデメリットが知りたいです。
(和歌山県・金田さん/仮名・55歳)
鈴木光一
鈴木農場・伊東種苗店
赤もぎりの王様トマト「麗月」がおすすめです
トマトは「青もぎり」といって、完熟前の状態で収穫してから出荷することが多い野菜です。質問者さんがおっしゃる通り、味の良さを追求するなら、完熟してやわらかくなったものを収穫・出荷するのが最良です。しかしながら、やわらかいと輸送中の衝撃で皮が割れてしまうものも多くなりますよね。
そこで、大玉トマトでしたら、「サカタのタネ」さんの、赤熟もぎりのブランド“王様トマト”シリーズにある「麗月(れいげつ)」という品種をおすすめします。
この品種は「超硬玉」といって、赤く完熟してから収穫しても皮は硬く、果肉の肉質がしっかりしているのが特長です。割れにくいため、輸送性に優れている点も高く評価されています。
味や栄養についても利点が多く、旨味成分や栄養成分が豊富なので、健康志向の人への訴求力があります。味は甘みと酸味のバランスも絶妙と、多くの人に好まれる性質です。さらに、日持ちが良く劣化に強いなど、いいことずくめの素晴らしい品種です。