沖縄県の東村というところでパイナップルを作っている農家です。山間部でハウス栽培をしています。
畑は3000坪あり「ジュリオスター」という品種を作っていますが、なかなか市場に出回らない品種です。というのも、植え付けから収穫まで2年かかるのです。
しかし、ジュリオスターのおいしさをたくさんの方に知ってもらいたいのですが、どうしたらいいのでしょうか?
インターネットで販売しようかと考えていますが、市場に出回らない品種を売れるように工夫するためには、どうすればいいのか教えてください。
(沖縄県・芥川さん/仮名・40代)
村瀬雄太
ファームコネクト
ネット販売の手段によって予算は大きく異なります
現在主要なネット販売方法は以下4つとなっており、それぞれで予算が異なります。
1、フリマアプリ(メルカリ・ラクマ等)でネット販売
2、産直サイト(食べチョク・ポケマル等)でネット販売
3、簡易的なネットショップ(STORES・らくうるカート・BASE等)を作成して販売
4、ホームページのような、凝ったネットショップを作成して販売
まず、1〜3は販売時に手数料が差し引かれますが、初期費用は無料です。
そして、1と2の利点としては、プラットフォーム自体に集客力があるため、自力集客の手間が少ない点が挙げられるでしょう。
ただし、手数料が割高な点には注意してください。
対して、3は比較的手数料が安く設定されている反面、自分自身で集客を行わなければなりません。
次に、4は自由なデザインで農園と作物の魅力を最大限伝えられる利点がある一方、基本費用や付随機能によって50万円〜数百万円かかる上に、自力での集客も必要です。
そして、月間2~30万円程度の売り上げ目標なら1、2で十分ですが、それ以上を目指すのなら、手数料が安くプラットフォーム内の競争を考慮する必要がない3、4が適しています。
参考までに、知名度を高める広告(集客)の手段としては、Googleなどの検索結果に上位表示させる、SEO対策が効果的であり、Web広告もおすすめといえるでしょう。
もし、よりリーズナブルに抑えたいのであれば、3万円程度で利用できるPRTIMESといったプレスリリースを検討してみてください。
さらに、一見すると資金調達手段に思われがちな、クラウドファンディングも初期費用無料且つPR効果が高いので、選択肢の1つとして押さえておきましょう。
仲野真人
株式会社食農夢創 代表取締役
SNSやクラウドファンディングで作物の魅力を拡散してください
まず大前提として、国産パイナップルといえば沖縄、そして「ジュリオスター」という名前も聞こえが良く、植え付けから収穫まで2年かかるという「希少性」も大きな魅力になる気がします。
そのうえで、押さえていただきたいのは、インターネット販売はあくまで「お客さまに届ける、あるいは販売する」ための手段に過ぎません。
そのため、より認知してもらうには「プロモーション」、または「広告宣伝」が必要不可欠であり、SNS(ソーシャルネットワークサービス)を活用すれば、最低限のコストで情報が発信できます。
ただし、現在はTwitte(ツイッター)やYouTube(ユーチューブ)などさまざまな種類が存在しており、もちろんそれぞれに異なる特性があることから、まずは自身にあったものを選び、無理なく継続していける環境を整えてみましょう。
また、単純に「パイナップル」を紹介するのではなく、質問者さま自身や農園の紹介、栽培風景、美味しい食べ方といった、「一般消費者が知り得ない情報」を盛り込むと、より効果的に魅力を伝えることが可能です。
一方、自身の宣伝活動だけでは時間がかかるため、新聞、雑誌、ラジオなどの従来のメディアにも売込んでいきましょう。
ほとんどの場合1回で取り上げてもらえることはありませんが、諦めずに何度もアプローチしてみてください。今は情報が溢れているからこそ、何がヒットするかわかりません。
そして、これまでは支援者からお金を集める手段であったクラウドファンディングも、プロモーションにおすすめです。
大変効率的に現場の想いや取り組みを伝えられるので、こちらも興味があればチャレンジしてみましょう。
いずれもすぐに結果がでることは稀ですが、種をまき続けることこそが成功への近道です。ぜひ応援しています。