イメージを変えてマンゴーを販売する方法は？

YUIME Japan編集部 / 2021.09.08

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沖縄へ2020年に移住しマンゴー農家の手伝いをしている45歳です。

現在、贈呈用2kgを4,800円（送料込み）で販売しており、味にも価格にも自信があります。

しかし、マンゴーを食べたことがない人にとっては、他のフルーツと比べ割高だと思われてしまうようです。

お手伝いをしている農園のご主人は「なんくるないさー」とマイペースですが、徐々に販売数も減っていますし、心配です。

世間のこうしたイメージを払拭させることができたら、もっと売上につながるのではないかと考えています。

うちのマンゴーは破格で品質もよいことを、多くの人に知ってもらいたいです。

まだマンゴーを食べたことがない人にも「買ってみようかな」と思わせるテクニックはあるのでしょうか？

これ以上値段を下げるのは難しいため、できれば「シャインマスカット」のように高級品として認知されて欲しいです。
（沖縄県・大沼さん/仮名・45歳）

価格×オリジナリティでお客さんに「高級品」に育ててもらう

高級マンゴーと言えば宮崎県産の「太陽のタマゴ」が有名ですよね。まず、相談者さんが求める「高級感」が、宮崎マンゴーのことを指すのであれば、勝負するのは諦めてください。

なぜなら、宮崎マンゴーの高級感（名声）は、有名果物店が取り扱っている、タレントが絶賛している、インターネット上の評判が良いなど、さまざまな情報に加え、生産農家とJAと県が一体となってブランド形成に取り組んだことで確立されたものからです。

いくら相談者さんのマンゴーが安くて美味しいからといって、この組織的につくり上げられたブランド力に太刀打ちはできません。

そこで提案したいのは、宮崎マンゴーとは別の道を歩むことです。具体的には「マンゴーを食べたことがない消費者を掘り起こす」こと。過去に比べるものがないので、相談者さんのマンゴーが基準になります。価格に関しては2kg 4,800円(送料込み)は沖縄からの送料を考慮するとお値打ちですね。

インターネットの通販人気は上がっていますが、良く売れているのは「そこそこのお値打ち品」。激安品が求められている訳ではなく、また高級品が売れている訳でもない。「せっかくだからちょっと贅沢しましょうか」と言った中程度の品が良く売れています。

つまり、相談者さんの沖縄マンゴーは、「初対面」の価格として「ちょうどいい」と言えます。そのため、ご要望の「高級品狙い」はひとまず脇に置いておきましょう。

似たような事例として、私たちaula brand designが支援した高知産のメロンが挙げられます。マスクメロンは静岡県産がトップブランドとして君臨しています。そこに高知県産メロンでどう切り込んで行くか……というのがテーマ。戦略として、静岡県産の高級メロンから少し距離を置き、そこそこのお手頃価格で「量を売る」ことに変更しました。結果として販売効率が上がり、前年比160%になりました。

また、中間購買層にアプローチしてファンを増やした結果、「贈答用として使いたいのでもっと高いのはないのか？」とか、ある百貨店からは「インターネットの評判を見て（〜中略〜）弊社にも卸してもらえないだろうか？」など、自然と高級品を求める声が寄せられるようになりました。

生産者の思惑とは別の方向から評価をいただく事で「ブランドか否かはお客さんが決める」を実感しました。まずは自分が食べてみる（お値打ち品）→ 美味しかったので贈り物に使いたい（高級品）という流れです。お客さんが高級品をつくった、とも言える好事例です。

相談者さんの場合、価格面はクリア。次は、オリジナリティを付加する必要があります。沖縄に暮らしている利点を活かし「沖縄に行った気にさせる」ことができたら大成功。そのヒントをひとつ。

お客さんが「こりゃ値打ちがあるわ〜」と感じる部分は中身の充実感以上に「見た目」の上質感にあります。特に初めてのお客さんは、見た目に興味が沸かなければ購入しません。上質感を演出すれば「これならギフトにも使えそう」と二次的需要も生まれます。

ロゴマークを整える、パッケージデザインを上質なものにするなどはブランディングの第一歩。上手に演出してお客さんの“目を引くことから、相談者さんの沖縄マンゴー＝高級品化計画をスタートさせましょう！