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底引き網にかかる出荷できない魚。加工して売れないだろうか

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底引き網にかかる出荷できない魚。加工して売れないだろうか

漁業を営む実家にUターン就職し、親子で漁業をしている底引き網漁師です。引き揚げた魚は船上で選別しますが、出荷できる魚以外に、いろんな魚介類が入って網にかかります。

小さいものや見栄えのよくないもの、深海魚など「外道の魚」は出荷しても価値はほとんどないので、海に戻します。しかしながら、その中には漁師が長年食べてきたものもあり、味は間違いなくおいしい魚もいます。

今は高く売れているアンコウやウツボも、漁師の間でしか知られていなかった時代がありました。

現在は、気候変動の影響もあって、以前ほど安定した漁獲が見込めなくなっています。そんな今こそ、これまで捨てていた魚も出番があるのではないでしょうか。例えば、鮮魚としての出荷以外に、干物や練り製品などに加工して商品化もありだと思います。具体的なアドバイスをいただきたいです。
(新潟県・吉田さん/仮名・40代)

仲野真人

株式会社食農夢創 代表取締役

自分で販売し見込みを得てから加工施設設立や業者との連携を検討しよう

数が少ない、形が不揃いなどといった理由で捨てられる未利用魚の活用は「フードロス」の観点からも注目が集まっています。干物や練り製品にすることで保存期間を増やすことも可能になりますよね。

ただ気をつけていただきたいのは、未利用魚だけでの商品化は非常に難しいということです。未利用魚の漁獲量が不安定だと、原料を安定的に確保することが難しくなります。自前で、あるいは漁協などに冷凍庫があれば冷凍保存ができますが、ない場合は誰が冷凍設備を用意するのか、用意する場合の資金はどう調達するのか?という課題が発生します。

加工・販売に取り組むためには、
1.どういう商品を作るか?
2.自分で作るか?委託するか?
3.漁獲量は自前で足りるか?足りない場合はどうする?
4.スーパーで売るか?飲食店か?
5.保存場所は?作ってすぐ出荷できるか?在庫は誰が持つか?
6.売場までどう運ぶか?送料は誰が負担するか?
などを検討する必要があります。

項目を見ただけで、「面倒くさい!」と思われるかもしれません。ですが、この課題を解決しないまま加工し、売れずに在庫を抱えた例を数多く見てきました。

そのため、食品会社へ加工の委託をして、まずは自分で販売してみることをおすすめします。売れる見込みが立ってから、自ら加工施設を立ち上げるとリスクが抑えられます。

もしくは、食品業者と連携して商品開発し、漁師側は原料供給だけにするのも選択肢のひとつです。もちろん、その場合はきちんと買取価格などの条件を決めることで安定した販路になります。

加工に取り組むための第一歩としては、「自分がどんな商品を作りたいのか?」「誰向けに売りたいのか?」「将来的にどんなビジネスをしたいのか?」を考えていただき、その上で自分でやるのか、誰かと組むのかを考えてみてください。

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