九州で漁業に従事している40代です。
現在は漁協への出荷が主で、収入は多くはないものの安定しています。
しかし、このまま同じことを続けることに不安を感じ始めました。
将来的には、獲った魚をより高値で売るために、加工品として販売することができないか、と考えています。
家庭で生の魚を捌く人も少なくなっていますし、缶詰や焼くだけの干物などの加工品が好まれていると聞きます。
また、サバ缶が全国的なブームとなったかと思えば、最近はサラダフィッシュなどがコンビニで売られるようになりました。
自分も地域の仲間と共同して、缶詰やサラダフィッシュなどの加工品を作ってみたいです。
とはいえ、お金も人手も足りないので、自分たちとタッグを組んで代わりに製造してくれる業者や販売店などはありませんか?
(大分県・水村さん/仮名・40代)
仲野真人
株式会社食農夢創 代表取締役
若者への魅力は十分。行政主導の6次産業化も調べましょう
消費者のニーズは変化し続けています。若い世代では丸の魚をさばく機会がなく、20代、30代の世帯では、自宅に包丁さえないこともあるようです。こうした背景から、漁業者においても、加工して販売する「6次産業化」のニーズは高まってきています。
とはいえ、個々の漁師が主体となって加工、販売を行うのは、ハードルが高いでしょう。設備投資だけでなくマーケティングや販売力など、かなりの資金確保やスキルやが求められるからです。
漁業における6次産業化の成功例としては、地域の加工会社(缶詰工場)や水産業者などと連携しているケースがほとんどです。例えば宇和島では、水産業者が魚をさばいて真空パックにして販売したり、食品会社と連携、委託して西京漬けに加工したり、地元の外食店と連携して「宇和島鯛めしセット」を開発、販売しています。
こうしたことから、地元に協力的な事業者があるかという点は重要です。もしあったとしても、商品開発が次なるハードルとなる場合もあります。さらに、漁協に出荷しているのであれば、事前に相談しておいた方がよく、本来なら漁協が主導して6次産業化に取り組んでくれるのが望ましいところです。
漁業の6次産業化は、漁業も対象になっているので、行政機関や地域のサポートセンターなどにも相談してみてはいかがでしょうか?