野菜やいちごを栽培している家族経営の農家です。環境問題を考えてエコな農家を目指していこうと考えています。
出荷選別する際に、どうしてもBC品の規格外品が出てしまいます。そこで、食品ロスにならないよう、解消法を模索しています。
具体的には、BC品を加工して自家製のドライフルーツやドライベジタブルが作れないかと考えています。
加工品に取り組んだ実績も経験もありませんが、時間と労力がかかるだろうということは想像できます。
ただ、少しでも可能性があるならチャレンジする価値はあるかなと思っています。
乾燥技術や設備を含めて、商品として販売するならどうすればいいのでしょうか?
(千葉県・小吹さん/仮名・50代)
仲野真人
株式会社食農夢創 代表取締役
いちごのドライフードは魅力的ですが、課題も多いので、事前準備が不可欠です
ドライフルーツやドライベジタブルなどは、消費者の健康志向の高まりを受けて、需要も伸びているので魅力的な商材です。
生産者にとっては、乾燥させることによって、付加価値を高めることができるだけでなく、保存期間を延ばすことができるのでまさに一石二鳥ですね。
ただ気をつけなければならないのが、ドライフルーツやドライベジタブルは、極端な話をすれば誰もが自宅で作ることができてしまうということです。
単純に乾燥させて、ネットや直売所で販売するだけでは、売れるかどうかは難しいところだと思います。
また、生産量が少ないということは、それだけ製造コストが上がってしまうので、売値についても大手のドライ商品よりはどうしても価格が高くなってしまいがちです。
そのため、本気で取り組むためにはしっかりと事前準備が必要になります。
質問者さまは野菜とイチゴを生産されているとのことなので、そのなかでどの品目をドライにするか、どこに向けて売るかを念頭に考えるのが良いと思います。
そのためには、売りたいと思っている販売先に需要があるのか?をヒアリングしてみるのが第一歩でしょうか。
乾燥させる機械にも多様なモデルがあり、機能や特徴、使い方もさまざまです。実際にドライフルーツやドライベジタブルを作っている生産者や加工メーカーを訪問させてもらい、実際に自分の目で見て、味を確かめるといった活動は欠かせません。
最後に、ドライフルーツやドライベジタブルにするということは、加工品を取り扱うということになるので関連法規の勉強も必要になります。
こうしたリスクを考えるとイチから自分だけで取り組むのは、かなりハードルが高いと思います。製造委託(OEM)できるようなところがないか探すのも一案です。
まずはなるべくコストをかけないよう、行動をスタートしてみてはいかがでしょうか。