在来種を中心に、季節の野菜を栽培している農家です。
一般野菜がメインにはなりますが、伝統野菜として細々と作り続けてきた品種も、人気が出てきました。
最近、全国的に豪雨被害が頻発するようになりました。
その一方で、記録的な干ばつに見舞われる土地もあるなど、農業にとって厳しい状況が続いています。
幸い当方ではまだ大きな被害はありませんが、明日は我が身かと戦々恐々としています。
気候変動が原因のひとつと言われていますが、このような状況が続くと、これまで地域の特性を生かして受け継がれてきた作物が作れなくなるのでは?と心配しています。
今後を見据えて、従来の作物から温暖化に対応した作物へ移行していくことも考えたほうがいいのでしょうか?
(岐阜県・田島さん/仮名・50代)
竹下大学
技術士(農業部門)J.S.A.ソムリエ
利益率をみながら在来種を減らし、耐暑性の高い品種にシフトするのも手です
ご自身の事業を守り、これからも続けるためには、環境の変化や時代の変化に合わせていくしかありません。
農作物を安定的に生産することが第一の目的でしたら、現在の作付けの一部をより耐暑性に優れた品種に切り替えることは有効でしょう。
また、これまで栽培したことがない品目を育てることにチャレンジするのも良さそうです。
また一方で、在来種を守り続けたいというお気持ちもよくわかります。
売上全体のなかで、どのぐらいまでなら利益率の低い在来種が生産できるのか計算して、じょじょに作付けを減らしていってはいかがでしょうか。
中村圭佑
FOODBOX株式会社代表取締役/CEO、フードカタリスト
品種開発であれば研究機関と協力しましょう。作物をシフトするのも含め柔軟に検討してみては?
温暖化や気候変動は世界的に問題になっており、それに対応した品種開発は非常にハードルが高く、農家自身で育種していくのは現実的ではないと思います。
現在の在来種を今後も守っていきたいなら、地域の研究機関と連携して、在来種をベースとした品種開発を行っていくしか方法はないと考えています。
やはり地域の研究機関(農業技術センター、農業試験場、大学など)と連携し、在来種を基礎とした品種開発を行うしか方法はないと考えます(それが在来種ではないという考え方であれば、行うべきではないですが)。
温暖化対策については、施設栽培の場合にはビニール素材の変更、循環扇の設置などにより対策もできますが、露地の場合は対策が非常に難しいのが現実です。
現在の圃場よりさらに山間地など、気温が低い地域で栽培する、作物をシフトするという方向も含め、柔軟に検討していくというのが良いかと思います。