「糖質制限ダイエット(白米など糖質が高い食材の摂取を控えるダイエット)」が流行っているおかげで、米が悪者になってしまっている気がします。
米農家にとっては大迷惑…とは思いながら、世間の流行に乗ることも大切だと思っています。
低糖質の米の開発に成功している企業もあるようですが、うちのような農家はほかの部分で勝負するしかありません。
そこで考えたのが、糖質を下げるのではなく、糖質を調整することです。
例えば、お米に混ぜて炊くカリフラワーライスやこんにゃく米。
新潟でも柏崎はカリフラワーの名産地だし、カリフラワー農家と提携して、セットで「低糖質米セット」を売り出すのはどうかな、と考えました。
私が住んでいる地域でも、「地域農産物詰め合わせセット」みたいなものが販売されていますが、農家と農家が協力してこうした商品を販売するには、何から始めたら良いのでしょうか?
(新潟県・代津田さん/仮名・30)
村上 真哉
FOODBOX代表取締役/COO
加工販売はハードルが高いけれど、生鮮のままなら許可は不要です
低糖質は2010年代前半以降、長く流行が続いています。
相談者さんの、消費者の声を活かした商品、サービス開発のアイデアは素晴らしいと思います。
結論から言いますと、地域の保健所に相談してみるのがいいかと思います。
一般的に生鮮食品(お米も生鮮食品です)を「加工」して販売する場合は、保健所や自治体から許認可を取得する必要があります。
加工方法やパッケージングの方法などにより必要な資格はさまざまです。
一方で、生鮮のまま(単純に米とカリフラワーをセットにして送るだけ)であれば、インターネットの産直サイトなどで生鮮食品を販売する場合と変わりませんので、特段許認可などは必要ないと考えられます。
ただし、米の消費量という観点では、食の欧米化に伴い、低糖質の流行以前から長らく下落の一途をたどっている事もあるので、業界全体としては、対「小麦」、対「肉食」の視点で施策を打つ必要がありそうですね。