東北地方で、親子2代、老いた父と底びき網漁をしています。漁獲しているのは、主にカレイやヒラメ、かになどです。
以前はイカもよく取れていたのですが、めっきり減ってしまいました。
地球温暖化や、暖流のルートが変わったことなどの影響だと言われていますが、実感として、獲れる魚種や時期が変わってきたと感じています。
そのため、これまでの経験やノウハウが通用しなくなるのではないか、これからどうなっていくのだろうか…という焦りを感じています。
収入を安定させるため、どうすればいいかと考えていますが、たとえば、スーパーに出回らない魚や、季節外れの魚などを売る方法はないでしょうか?
こういった魚を買い取ってくれる業者や、あまり市場に出回らない魚を高く売る方法があれば教えていただきたいです。
(山形県・中川忠さん/仮名・44歳)
NPO法人イドバタ
NPO法人イドバタ
コネクションを有効活用し、新たな取引先の開拓を
海洋状況の変化についてはさまざまな議論があります。温暖化や、水中の栄養塩の低下による生物の生育不良(貧栄養化)などの要因が複雑に絡み合って生じているようです。
どのような原因であっても、漁業従事者の方々にとってはまさに死活問題かと思います。
最近では飲食店が回復を見せ、魚も流通量が多くなってきたことと思います。しかし、コロナ禍において卸売り単価が安くなり、流通量も減少し、収入減となった漁業従事者も少なくありません。中には副業をはじめた方もいるようです。
漁獲物の販売単価向上策として、一般的な方法は中間卸業者を通さずに最終消費者に近い方に届けることが挙げられます。
味のいい魚であれば、海鮮料理を扱う飲食店や観光事業者に相談し、新しい地域の特産品にしていく取り組みも一案です。
いずれにしても、これまでの常識が非常識となり、培ってきたノウハウが通用しなくなっているわけですからその変化に柔軟に対応していくしかありません。
これまで接点を持ってこなかった異業種の方々と積極的に関わることで、アイディアを形にしていくことが大事かと思います。