キウイ農家の2代目で、現在は会社勤めしながら農業を手伝っています。
父はキウイ専業ですが、昨年から自分主体で野菜栽培も始めました。ベビーリーフ、ラディッシュなど少量で付加価値の高い品目を中心に、多品種を直売所などで販売。ネット販売にも挑戦する予定です。
キウイは現在8割が輸入品で、広告のインパクトも強く、輸入品の商品イメージがとても良いです。
スーパーなどでの売り場も年々大きくなっており、悔しさもありますが、宣伝のセンスや営業力には逆に感心してしまうほどです。
ただ、一昔前までは輸入品が圧倒的だったレモンも、近年は国産品が人気です。その人気ぶりを見ると、国産キウイにもチャンスがあるのでは?と感じています。
どうやったら国産キウイを盛り上げられるでしょうか?
(福岡県・丸山さん/仮名・30代)
仲野真人
株式会社食農夢創 代表取締役
キウイは果物の中でも需要が伸びている品目です。輸入品の需要に乗り、差別化やブランディングをしていきましょう!
相談者さんのおっしゃる通り、消費者にはキウイと言えば「ゼスプリ」、そして何より「ニュージーランド産」というイメージがついてしまっていますよね。
また、キウイは果物の中でも需要が伸びている品目です。半分に切ってスプーンで食べるのが手軽であるという点が評価されています。
ゼスプリは国内でも生産拠点を作り始めています。
でもよく考えてみてください。これは相談者さんにとっても非常にチャンスだと思いませんか?
ゼスプリが国産キウイの需要を作ってくれているということです。そのマーケットに乗れば、ニュージーランド産の市場を国産に切り替えることができる可能性が高いともいえます。
したがって、「国産キウイの需要を高める」というよりは、「相談者さんの農園のキウイの知名度をどう高めていくか、ブランディングしていくか」がより重要になってくると思います。
販路のターゲットを、市場(JA)、BtoB(業務向け)、BtoC(消費者向け)のどれにするかをまずはよく検討してください。相談者さんの名前を前面に出していくことが大事だと思います。
「○○農園のキウイ」として認知度を高めていくことによって自然と販路も広がります。
ただ気を付けなければならないのが、ブランディングのためには品質へのこだわりは不可欠という点です。
当たり前になりますが、市場に流通しているキウイやゼスプリのキウイよりも美味しくなければ、相談者さんのキウイを買おうと思いません。
また、品質以外にも「完熟・獲りたて」などを打ち出すという売り方の工夫もできると思います。ご存じの通り、輸入品や市場に流通するキウイは追熟を前提として収穫しています。
差別化するための一案として、完熟した状態で販売しつつ「その代わりすぐに食べてください」というフレーズを付けるなどの工夫もできます。
いちごやみかんなど、産地ブランドが強い品目もありますが、まだまだ国内のキウイ産地はブランド化されていない状況だと思いますので、先に相談者さんの名前でブランディングできれば、おのずと販路も増えると思います。