静岡県で化学肥料を使わず、有機肥料のみで茶葉を栽培しています。
お茶は従来、化学合成農薬を散布して育てる慣行栽培が一般的で、私も当たり前だと考えていました。
ある時、手袋をはめなければ扱えないような農薬を、繊細な茶葉に撒くことが正しいのだろうか?と疑問を持つようになりました。
自分なりに栽培方法を調べるうちに、有機農法を知りました。数年間の試行錯誤の結果、自分なりに満足できる美味しいお茶を完成させることができました。
販売を開始して約1年経ちましたが、「おいしい」という口コミはいただいたものの、思ったより売れ行きが伸びません。
お茶を買ってくれるお客さんが高齢化していることも原因かもしれません。
パッケージを一新したり、インターネットで販売するなど、新しい戦略を検討していますが、売り上げを伸ばすにはどうしたらいいでしょうか?
(静岡県・田中さん/仮名・30代)
仲野真人
株式会社食農夢創 代表取締役
健康・安全を売りにしたティーパックの通販で新規顧客開拓を
ペットボトルが主流になり、急須で飲む文化もなくなってきているなかで、茶葉(リーフ)はかなり厳しい環境にあると思います。
そのなかで新規顧客を開拓するとなると、まず「誰をターゲットにするのか」「どういう利用シーンを想定するのか」そして「こだわりは何か」を明確にすることが重要です。
例えば、新しいお客さんを獲得していきたいなら、20~30代をターゲットに粉末やティーバッグをつくってみてはいかがでしょうか。何かと忙しくしている働き盛りの世代へこだわりの美味しいお茶で手軽に癒しの時間を提供する、健康のため毎日のコーヒー代わりに飲んでもらう、といった具合に、若者がお茶を飲むシーンを想定してみるとよいですね。
健康・安全に気を使う若者は意外と多いと思います。ターゲットを絞れば、価格やパッケージの雰囲気も決めやすくなります。
また、販売方法は通販がおすすめですよ。難しそうに感じるかもしれませんが、最近の通販サイトは初心者でも簡単に始められる仕組みになっています。ぜひ、挑戦してみてはいかがでしょうか?
西田栄喜
風来 代表
自分の販売可能量を見極めましょう
商売手法の一つに、「売上基準金額(どれくらい売りたいのか)を設定する」という方法があります。設定した金額の上下5%以内を目指して販売し、売り上げが下がりすぎても上がりすぎでもだめ、というものです。
まずは、現状でどれだけの量を生産するのがご自身にとって一番良いのかを見極めることから始めてみてはどうでしょうか。
また、基準額を設定することで、販売先を選定しやすくなります。いきなり大口のお客さんを掴もうとして身体を壊してしまっては身も蓋もありません。まずは自分の手の届く範囲から販売してみてください。
お茶はインターネットの販売に向いていると思います。しかし、最初から個人のホームページで売ろうとすると、検索で見つけてもらえないし、決済システムをイチから作らなくてはいけないので、大変だと思います。
ポケットマルシェや食べチョクなど産直プラットフォーム(生産者が消費者に直接販売できるWebサイト)をおすすめします。無料で写真や文章講座をやっているので、参考にもなりますよ。