昨年10月に植え付けたにんにくの収穫が遅れてしまい、収穫したにんにくの半分以上は外皮が破れて粒立ちしてしまいました。
いつもなら茎を紐でくくって倉庫の軒先に吊るして乾燥させますが、粒立ちしたにんにくは茎が取れてしまっているものも多いので、張った網に広げて乾燥させている状態です。
見た目が悪く商品価値がないことはわかるので、青果のにんにくとして直売所で販売するのは難しいと思っています。
そこで、黒にんにくやオリーブ漬けなどの加工用として利用できないかと考えています。
でも、粒立ちして少し太ったようなにんにくが、味や品質面で問題になったりしないか少し心配です。
加工してしまえば、あまり問題ないような気はしますが、よい活用法はありますか?
(神奈川県・加藤恵さん/仮名・40代)
蛇岩真一
株式会社AGRIER・中小企業診断士
バラバラになったにんにくは種子や加工用に!ネットに入れて販売するのもオススメ
収穫の時期が遅れたせいで、にんにくが粒立ちしたというご相談ですが、おそらく「枯れた茎を引き抜いたら、にんにくがバラバラになってしまった」状態だろうと推測しています。
にんにく全体を包んでいる外皮がどれくらい破れているのかは、ご相談内容からはわかりませんが、たとえ外皮が破れていても、内側で、ひとつひとつの実(鱗片と言います)を包んでいる硬い保護葉が傷んでいなければ、品質上の問題はないと思われます。
もともと生育がよい畝で育ったにんにくであれば、秋植えの種子に使っても問題ないですし、腐ったり、カビたりしていなければ、加工用として十分使用可能です。
ただし、保護葉まで傷ついて鱗片がむき出しになっているようなら、中の実がすぐに乾燥してしまうため種子利用は難しいでしょう。
私の圃場がある北海道では、バラバラになったにんにくの実(貯蔵葉)を、直売所で漬物用やタレ用に販売している方がいて、価格は安めですが、人気商品になっています。
最近は規格にこだわらない人も増えていますので、この方のようにバラバラになったにんにくでも、ネットに入れて販売してみてもよいかもしれません。