北海道で野菜農家をしています。現在の主力はにんにくで、約3ヘクタールの面積で育てています。これまではJAや直売所へ出荷していましたが、最近、農家が直接お客さんに販売する「直販」の広告を見かけ、気になっています。
栽培したにんにくを熟成させて黒にんにくにしたり、干して乾燥にんにくにして販売すれば、収穫期以外でも収入を得られるのでは?と考えています。
とはいえ、これまでは作ることばかり行ってきたので、どうやって売ればいいのかさっぱりわかりません。初めてのことなので、いきなり大きく売り出すのではなく、小さく始めて、反応を見てみたいです。
直販のやり方を知っている販売事業者さんがいれば、提携して売り出したいのですが、そういう業者さんはいるのでしょうか?もしいないのであれば、自前で売り出そうと思っているので、どこから手をつければいいのか、教えてください。
にんにくの良さをアピールしたり、外に売っていくのは農作業とは違った難しさを感じますが、アドバイスをもらえれば助かります。
(北海道・前島さん/仮名・60代)
鈴木光一
鈴木農場・伊東種苗店
農産物作りから商品作りへの意識転換を。そして、自分の商品の他との違いを明確に
まず何から始めれば良いのかということですが、一番大事なのは「自分の商品はなんなのか、他との違いをはっきりさせる」ことだと思います。
例えば「自分の商品は他とここが違います」「こういう特徴を持っています」「ここだけは負けない自信があります」という強みがなければ、直販のノウハウを持つ会社と組んでも、うまくいかないと思います。
「農産物」を作るのではなく、「商品」をしっかり作ることが大切です。これからの農業で大事になるのは「販売力」。つまり「自分の作物の魅力を、うまく伝えられるかどうか」が重要になります。
まずは、お客さんの立場になってみる、市場のことを知る努力をする、勉強をするなど、意識を変えていきましょう。
山形文吾
フルーツガーデン山形
無人販売所や、メルカリ、BASEからはじめてみては?
あまりお金をかけずに始めたいということなので、直販とは少し異なるかもしれませんが、無人販売所や、メルカリ(フリーマーケットアプリ)、BASE(インターネットのショップを簡単に作れるWebサービス)などを使って販売してみるのはいかがでしょうか?
農産物の魅力をアピールするためのホームページを作成するのはお金がかかるので、SNS(Twitter、Facebook、Instagramなど)から始めていくのがよいのではないかと思います。
私もメルカリで販売をしていますが、慣れるとすごく便利です。購入する方も、クレジット払いだけでなく、ポイント購入など、決済方法がたくさんあるので気軽に買えます。
黒にんにくとメルカリで調べてみると、売れている商品もありましたので、参考にしてみてはいかがでしょうか?インターネットで「メルカリ 販売の仕方」などと検索すると、出品の流れが簡単にまとまっているので、わかりやすいと思います。