代々続く都市郊外の野菜農家です。少量多品種を手掛けているので、ほぼ休みなく忙しい毎日を過ごしています。
最近、直売所への出荷に加えて、飲食店との取引が増えてきました。納品は自分や家族で行っていますが、時間を作るのが大変です。
農家仲間に話すと「業者に頼んだら?」と言われるのですが、外注するとなると翌日以降の配達になってしまいます。新鮮さを売りにしているので翌日だと鮮度が落ちてしまいますし、配送料も高いので依頼するのは難しそうです。
販路を拡大したいのに、出荷や納品作業の時間が取れず、非常にもどかしい思いをしています。
私たちのような農家のための物流サービスはないのでしょうか?例えば、午前中に集荷し即日配送するような内容なら嬉しいです。
(東京都・高橋さん/仮名・40代)
佐々木大樹
CBcloud株式会社
送り主と配送ドライバーをつなぐ新たな物流サービスがあります
私たちが始めた「PickGo(ピックゴー)」は、生産者と配送パートナーであるドライバーを直接つなぐ新しい配送サービスです。
伝票書きも集荷依頼電話も不要で、すべてネットで完結します。送り主は、積み地や配送先の情報を入力するだけで、全国30,000台以上の軽貨物車両や1,000社以上の一般貨物運送会社と、最短56秒と瞬時につながります。
1台の車両が複数の届け先に配送する通常のサービスに対し、ピックゴーは例えるなら「モノのタクシー」。
車両手配だけでなく、航空便とも連携しており、北海道の採れたて野菜をピックゴーの車両で千歳空港まで運び、羽田からもピックゴー車両で納品できます。
過去には、新潟港の朝競り鮮魚と、大洗港の獲れたて生しらすを、品川駅構内まで新幹線で即日運送したことがあります。
車両は、軽貨物から10トントラックまで、温度や形状・設備も指定できます。深夜・早朝もご依頼可能で、車両が確保しにくい繁忙期、年末の手配も確実です。
ご相談者さまのような、毎日定期的・複数の届け先への納品なら、ウェブ版サービスがおすすめです。
藤野直人
株式会社クロスエイジ 代表取締役
産地と消費地が近いことが絶対条件 新サービスをチェックしましょう
結論から言うと、「儲からないから誰もやらない」といったところでしょうか。
個別の農家と店舗をつなぐための「受発注」は、煩雑です。さまざまな条件で品目や発注数も変動するので、発注者側にも農家への深い理解が求められます。これでは顧客は増えないし、安定しません。
また、当日中の「個店配送」をするには、小さいエリアで局所的に展開する必要があり、規模の拡大も望めないでしょう。こうしたデメリットから、ご要望するような物流サービスが進展しないのだと考えます。
ただ、ひとつ興味深いモデルがあります。農村地域で集荷した品を広島市内の飲食店から注文を受けて配送する、広島県の「株式会社まごやさい」です。
このように都市近郊で観光地があり、農村と都市の距離が近い地域ならサービスが成り立つ可能性も高いので、探してみる価値はありそうです。