新潟県で米と、野菜の少量多品目栽培をしている農家です。
東京から移住して5年、東京では完全に夜型の生活をしていたので、当時コンビニにはとてもお世話になっていました。
こちらではコンビニに行くのにも車で20分、かなり遠い存在になったからこそ、コンビニのありがたさが見に沁みます。
ところで最近ではコンビニでも八百屋さん並みに野菜を取り扱っている店舗がありますよね。
うちの最寄りのコンビニでは売っていないのですが、コンビニは早い時間に閉店してしまう直売所と違って24時間営業で、卸す私たちも時間に融通が効きそうだし、遅い時間でもお客さんは野菜を買えるし、そこそこの値段がつけられてコンビニも儲かるだろうし、まさに「三方よし」ではないでしょうか?
田舎のコンビニのお客さんはどこかからどこかへの「移動」で利用している方がメインだと思うので、地の野菜はお土産にも最適な気もします。
コンビニで売っている野菜は契約農家の専売特許だとは察しています。うちは法人でもなく単なる個人農家ですが、提携する方法はあるのでしょうか?
(新潟県・田代さん/仮名・40代)
蛇岩真一
株式会社AGRIER・中小企業診断士
コンビニよりもハードルが低い販路から攻めてみましょう
以前、私が住んでいた東京・練馬は23区でも農業が盛んな土地だからか、地元の「有名農園」の野菜が大手コンビニに並んでいました。
しかし、失礼にあたらなければ良いのですが、一般の農家がこのようにコンビニに野菜を卸すのはハードルが高いと思われます。
純粋に販路を拡大したいのであれば、コンビニではなく「やさいバス」を利用するという手もあります。
私たちが運用している「やさいバス」は、生産者と購買者をつなぐ青果流通サービスです。
"購買者(小売店、飲食店、消費者など)”が欲しい商品をインターネットで注文すると、商品を積んだ冷蔵車が購入者の最寄りのバス停までお届けするというもので、生産者は注文が入ったら商品を直売所や青果店などに設定した「バス停」に持っていくだけでOKです。
静岡県からスタートした「やさいバス」は今や全国十数の都道府県に広がり、「やさいバス」に野菜を卸す生産者さんはすでに数百になりました。
「やさいバス」の理念のひとつは、「よい生産者と、よい消費者・購買者をつなげること」にあります。
エリア内で共同集配送のバス(冷蔵トラック)を使うため、広域の消費者も気軽に野菜を買うことができ、農家さんも販売や宣伝のチャンスが増え、双方にメリットがあります。
コンビニで顔の見えない不特定多数の消費者に商品を販売することも重要ですが、「やさいバス」のようなサービスを利用して、ファンをつくって継続的に取り引きすることも重要で、安定した農業経営につながると思われます。
コロナ禍で野菜の売り先に困った農家さんから相談を受けたことから取引がはじまったこともありますし、その後も、農家さんからの売り込みもあります。
まだ、相談者さまがお住まいの新潟県ではサービスを展開していませんが、比較的近くでは青森県で「やさいバス」がはじまりました。
私は今、北海道での「やさいバス」立ち上げを手伝っています。近い将来、新潟県でも展開することを期待してお待ちください!
株式会社ローソン 広報部
株式会社ローソン 広報部
個人農家さんは難しいですが、コンビニで青果を販売する手段はあります
コンビニエンスストアの店頭で販売しているお野菜についてですね。
当社でもお取り扱いしておりますが、当社の店舗で販売している青果につきましては、各地区の青果仲卸さまと打ち合わせを行った上で店舗に供給頂いています。
そのため、農業法人や個人農家の方との個別の提携等は基本的には行っていないのが現状です。ご期待に添えず申し訳ありません。
ご参考まで、北は北海道から南は鹿児島まで、全国17箇所で展開している農地所有適格法人ローソンファーム(農場)は、供給可能な地区の青果仲卸さまに青果を供給し、ローソングループの店舗で販売しています。
ローソンファームの青果は、ローソングループ店舗で販売しているカット野菜やサラダ等の原料にも使用しています。
その中で、ヒットしている商品は、郷土色や地方色を打ち出したローソンファーム兵庫の淡路島産玉ねぎ、ローソンファーム熊本・ローソンファーム愛媛のみかんなどです。
もしも相談者さんが「どうしても自分がつくった青果をコンビニで販売したい」と考えるのでしたら、当社の農場でも求人を募集しているので、ぜひチェックしてみてください。