関東の電気機器メーカーでサラリーマンをしていましたが、5年前に妻の地元である鳥取に移住、就農しました。
全部で12ヘクタールほどの農地で、米、白ネギ、トマト、白菜、アスパラガスなどを義父母と共に作り出荷しています。
サラリーマンをしていた頃にお世話になった先輩が「お店を始めたのでよければ販売するよ」と声をかけてくれました。
食品メインでなく、服飾雑貨や器などのショップです。
店頭に野菜を置くことが呼び水になるとのこと。
販路拡大という点ではチャレンジしてみたいのですが、お互いにノウハウがなく不安です。
先輩は「買い取るので、単価を決めて収穫したての野菜を冷蔵宅配便などで送ってくれればいい。売れ行きなども定期的に相談するので、まずは気軽に考えて」と言っています。
義父母や妻も、自分が新しいことにチャレンジすることには理解があります。
でも、私の確認不足からトラブルになって、義実家に迷惑をかけるような事態は避けたいです。
個人に販売を委託するときに、事前に確認しておいたほういい事項を教えてください。
(鳥取県・長谷川さん/仮名・30代)
池田夏子
FOODBOX株式会社/CMO、フードカタリスト
契約書を作成し、条件を取り決めましょう
こうしたケースで、後々最も問題になるのが「お金」のことです。
相談者様の先輩は「買い取るので、単価を決めて」とおっしゃているとのことですが、トラブルにならないためには、単価を明記した契約書を結ぶのが得策です。
契約書を交わした方がお互いの信頼にも繋がり、安心して先輩へ野菜を納品することができるようになると思います。
また、契約書はきちんと弁護士に依頼して作っていただくことをおすすめします。複雑な契約書にはならないと思いますので、一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。
あとは、先輩へ下記のような点を事前に確認してみると良いと思います。
・どんな客層が多いのか? 1日の来客数はどれくらいか?
→買い取ってもらう野菜の品目や、1回の配達量を決めるため
・配達時間に指定はあるか? 包装や結束などの出荷形態に決まりはあるのか?
→通常の生産業務に支障がない範囲かどうかを判断するため
・自社のラベル(ブランド名)をつけて販売してもらえるかどうか?
→相談者様の自社ブランディングのため