みかん栽培の適地って？どんな場所だと適しているの？

YUIME Japan編集部 / 2024.01.29

生産方法

#果樹、果実的野菜 #みかん #観光農園

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数年前に、みかんの栽培をしている農家に嫁ぎました。

結婚する前に農業をやった経験はまったくなかったので、まだ知識が浅く、みかん栽培についてもっと勉強したいと思っています。

私が住んでいる一帯はみかん栽培が盛んなので、圃場自体は適地だと理解できるのですが、何が要因になっているのでしょうか？

日照量や温暖な地域がなぜみかん栽培に有利なのでしょうか？

ほかの地域でもみかんが栽培できるなら、農地も拡大できるかなと想像しているので、詳しく教えてほしいです。

前田隆昭

南九州大学　環境園芸学部　環境園芸学科　教授

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みかんは年平均気温が15℃以上で、十分な日照が確保できる環境でよく育ちます

みかん栽培の適地

みかんは、以下の条件が整った場所で栽培すると育ちやすいと言われています。

・年間を通して十分な日照が確保できる場所
・年平均気温が15℃以上18℃以下の場所
・排水性の良い場所

それぞれの条件について詳しく見ていきます。

日照量

みかんは、太陽から与えられる光を浴びることで、樹の成長や結実を促します。そのため、日照量が年間を通じて少ない地域は適していません。

また、樹の1本1本を剪定して、日光が当たりやすい環境を作ってあげることも重要です。

平均気温が温暖な地域

みかんは、極端に寒い地域で栽培すると低温障害を起こす可能性があります。そのため、冬の気温がマイナス5度未満になる環境は適していません。

年間の平均気温は15度ほどの温暖な地域が適しています。

降雨量の少ない地域

極端に降雨量の多い地域では、病害が発生しやすく、みかんの栽培に適していません。

みかんは適度に乾燥することで糖度が増します。

みかん栽培の北限に関してはこちらをご覧ください
「みかんの栽培地の北限はどこ？」

みかん栽培に適した土質

みかん栽培では、排水性と保水性を兼ね備えた土壌が適しています。

小石と粘土を適度に含んだ土壌が理想です。

しかし、みかんの栽培は同じ土壌内で長期的に行うことから、土質は年々変化をしていきます。

そのため、栽培前だけではなく、植え付け後も土壌の管理を徹底して、みかんの育ちやすい栽培環境を提供しなければいけません。

肥料を与えるタイミングやphについてはこちらをご覧ください
「みかん栽培時に行う肥料の施用法を知りたい」
「みかん栽培をやることになりましたが、土壌管理はどうすべき？」

みかん栽培が盛んな地域

みかん栽培が盛んな地域の特徴として、太平洋側の海に面した傾斜地であるという共通点があります。

太陽は東から昇って南を通って西に沈みますが、太平洋側の南の地域がより日光を浴びやすいためです。

実際にみかんの収穫量ランキング(令和3年のデータ)では、和歌山県、愛媛県、静岡県が高く、すべて太平洋側の地域で栽培されていることがわかります。

海面から反射した日光が多く当たることで、みかんの樹や果実の成長促進につながると言われています。

また、平坦な場所よりも傾斜地の方が樹に当たる日光の量が多くなるので、みかん栽培の環境として最適と言えるでしょう。

ただし、最近では地球温暖化の影響で、果実の着色が進まず、みかんの産地といわれている地域での栽培が難しくなってきています。

このお悩みの監修者

前田隆昭

南九州大学　環境園芸学部　環境園芸学科　教授

琉球大学農学部を卒業後、和歌山県庁に入庁して農業改良普及所の技師や、果樹試験場の研究員などを歴任し、2009年退職。同年、農業生産法人「有限会社神内ファーム21」に入社し、南方系果樹の研究を経て、2015年から南九州大学環境園芸部果樹園芸学研究室の講師に。2021年同大学・短期大学の学長に。2022年5月、学長退任後も教授として引き続き学生を指導する。

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